英国の老舗新聞社がパブリッククラウドの移行を開始した。同社がそれまでのAWSからGCPに移行する決断を下した理由は意外なものだった。同社CIOが絶賛するGoogleの一面とは?
Telegraph Media Groupが、パブリッククラウドをAmazonからGoogleに切り替える。160余年の歴史を誇る新聞社のパブリッククラウド切り替え作業は2019年の初めに開始され、同年半ばには完了する予定だ。英Computer Weeklyは、同社CIO(最高情報責任者)のクリス・テイラー氏にこの切り替え作業について聞いた。
「長年にわたってインフラの全てをAWS(Amazon Web Services)で運用していた。Amazonは優れた企業なので、豊富で変化に富んだパートナー関係をさまざまなレベルで今後も続けていく」とテイラー氏は話す。
「だがインフラは、Googleに移行することでさらにメリットが得られると感じた」
移行が完了すれば、自社のデジタルパブリッシングシステムと消費者向けデジタル製品の基盤となる全ての環境が「Google Cloud Platform」(GCP)で運用されることになる。 テイラー氏は、GCPへの全面移行という決断のもう一つの重要な要素として、GCPチームの能動的かつ積極的な協力姿勢があると認めている。
「GCPチームの姿勢が全てを変えた。実際に取引を決定する前に詳細を把握して立案する作業の中で、GCPチームは当社と協力関係を結び、当社をサポートすることに非常に高い関心を寄せ、熱心で、強い向上心と充実感を持っていた」
移行はまだ進行途上だが、特に社内のソフトウェアエンジニアリングチームの士気と熱意に関する面で、同社は既にメリットを得ているとテイラー氏は話す。
「AWSでの作業と大きく異なるわけではない。だが、新しい技術、新しいトレーニング、新しいものに触れる機会を得て、それら全てが従業員の熱意に結び付いている。そのような側面が、当社が既に目の当たりにしているメリットだ。今後もこれは持続するだろう」(テイラー氏)
テイラー氏は長期的に見て、GCPに対するThe Telegraph技術チームの熱意が生産性の向上にも反映されると予想している。
「チームメンバーは素晴らしい仕事をしている。DevOpsの体制で進めているが、GCPへの移行をきっかけに、その体制はさらに盤石になっている」と同氏は話す。
「チームが取り組んでいる製品のライフサイクル全体に投資を受けているとエンジニアが感じるほど、チームは遂行している業務のあらゆるレベルでより大きなメリットを実感する。それが当社の消費者とそのエクスペリエンスにも良い影響をもたらすだろう」
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