前編(Computer Weekly日本語版 5月20日号掲載)では、メインフレームのDb2からSQL Serverへのデータ移行、レガシーActive DirectoryからAzure Active Directoryへの移行とデスクトップOSのアップグレード事例を紹介した。
後編では、SPARCサーバのSolarisで運用しているWebLogicアプリケーションやAlpha AXPサーバのTru64 UNIXで運用しているデータベースのモダナイゼーション事例を中心に解説する。
どのようなモダナイゼーションプロジェクトでも、業務の混乱を招く大きなリスクが存在する。特に、老朽化したIT機器でミッションクリティカルなソフトウェアを運用している場合は、そのリスクが大きくなる。こうした状況に直面しているのがTotal Gas & Powerでヨーロッパエンタープライズアーキテクチャ向けのテクノロジーアーキテクトを務めるドミニク・メイドメント氏だ。企業にエネルギーを供給するエネルギーサプライヤーである同社は、「WebLogic」などのミドルウェアや「Solaris」といったOracle製品の長期ユーザーで、「x86」や「SPARC」などさまざまなアーキテクチャのサーバを運用している。
「6年前にTotal Gas & Powerに入社した当時、同社の数々の技術に驚かされた。それはNetApp、Cisco Systemsのブレードサーバ、Ciscoのネットワーク製品、VMware製品で構成された『Cisco FlexPod』に部分的に集約されていた」とメイドメント氏は話す。このセットアップによって同社のガスと電力の基幹業務アプリケーションがサポートされ、同社の国外開発者向けに仮想デスクトップが提供されていた。ただし、メイドメント氏は次のように話す。「このインフラを管理するには3人の異なるエンジニアが必要になることが分かっていたので、もっと優れた方法が必要だった」
同社の災害復旧(DR)サイトを高度な機能を備えた施設として再開発する予定だと知ったとき、この技術アーキテクチャを見直す機会が生まれた。メイドメント氏によると、コンバージドインフラの経験に基づけば、同社の運用システムに大きな影響を与えずにパフォーマンスを向上させることができる新たなインフラを提供する方法を検討するチャンスがあったという。「それは素晴らしいチャンスであり、リスクも少ない」と同氏は語る。
そこで選択したのが、DRにNutanixのハイパーコンバージドインフラを使うことだった。これによりDRサイトを迅速に運用可能になるだけでなく、10個の異なるプラットフォームを取り除き、1つのコンソールウィンドウでITインフラを管理できるようになった。Nutanixで運用する最新ITインフラにレガシーシステムを移行するのは、単純なリフト&シフトプロジェクトではなかった。Nutanixが一部のレガシーITとは異なるハードウェアアーキテクチャをベースにしていることを前提として、メイドメント氏は次のように話す。「DEC(Digital Equipment Corporation)の『Alpha AXP』サーバで稼働している『Tru64 UNIX』のデータベースなどをエミュレーションする必要があった。
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