筆者がIT分野で働き始めた頃、自社のデータを他者と共有するという考え方も、データが企業にもたらす価値を理解するという考え方もなかった。IT部門は日常業務に重点を置くアプリケーションを設計、管理することが仕事だった。意思決定を支援するレポートやアプリケーションはあったものの、「あれば便利」といった程度の位置付けでしかなかった。
業務部門はさまざまなレポートを作成するようになるにつれ、自社で収集したデータに、意思決定に役立つ戦略的価値があることに気付き出した。さまざまな部門のデータストアが企業資産となり、自社に利益をもたらすことに気付いたIT部門は、データを収集して標準化し、「データウェアハウス」(DWH)に格納し始めた。それが「データマート」の源流だ。
データウェアハウスとデータマートは、どちらも大量のデータを取り込んで格納し、データ処理を容易にする仕組みを持つ。だが両者には異なる点がある。定義と比較に際する問題は、データウェアハウスとデータマートを分類する基準がやや曖昧なことだ。
さまざまなデータソースから得た、大量のデータを保有する業務別のシステムがあるとする。このシステムは、意思決定に役立つデータを各部門に提供する点ではデータマートの基準を満たす。一方で規模や詳細度の観点から考えるとデータウェアハウスに分類することもできる。
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