「iPhone」の新しいプライバシー設定がもたらす影響【後編】
iOS新プライバシーは「Apple広告優遇のため」とFacebookが懸念 Appleの見解は
「iOS 14.5」の新しいプライバシー保護設定に、Facebookが懸念を示している。それはなぜなのか。その懸念は妥当なのか。Appleの言い分も踏まえて考える。
Appleが「iOS 14.5」から搭載した新しいプライバシー保護設定は、一般消費者向けのオンライン広告を活用する企業に大きな影響を与える可能性がある。中小企業はこのアップデートが売り上げ減少を引き起こすことを懸念している。前編「『iOS 14.5』のプライバシー保護設定で広告売り上げ減を懸念する中小企業の本音」に続き、後編となる本稿は関連業界の反応を紹介する。
FacebookはiOS 14.5のプライバシー保護設定を批判
調査会社451 Researchのアナリストを務めるラウル・カスタノン氏は、Appleのデータ収集に関する透明性の新しいポリシーは「長い延期の末にようやく導入した機能だ」と説明。「消費者も企業のIT部門もiOS 14.5の新しいプライバシー保護設定を歓迎するだろう」と考察する。
FacebookはiOS 14.5に盛り込まれたプライバシー保護設定に対して批判的な立場を取っている。商品マーケティングが困難になり、特に中小企業が深刻な打撃を被るというのがその理由だ。無償のアプリケーションはターゲティング広告に支えられている、と同社は主張する。
2020年度、Facebookの広告事業の売り上げは約840億ドルに上った。Facebookユーザーのオンラインアクティビティのトラッキングがそれを支えている。iOS 14.5に盛り込まれた変更は、Appleの広告事業を競合他社より有利にするものだとFacebookは非難する。
米紙「Wall Street Journal」は2021年4月27日付(現地時間)の記事で、iOSの新しいプライバシー保護設定によって、広告主はAppleの広告スペースを購入する方が、サードパーティーを介するよりも多くのiPhoneユーザーデータを入手できると報じた。一方Appleは、ユーザーのデータをどう扱うかはユーザー自身が選ぶべきだと主張する。AppleのCEOティム・クック氏は、ユーザーの個人データは本人の許可を得た場合のみ収集できるようにすべきだと述べている。
リードジェネレーションサービスを提供するFocus Integrated Marketing CommunicationsのCEO、パトリック・オールモンド氏は、自社の事業が打撃を受けるとしても「1人の消費者として、そしてApple製品のユーザーとしては、iOS 14.5のプライバシー保護設定を評価する」と言う。オールモンド氏は「消費者として、そして自分のプライバシーを守りたい個人としては、この設定はうれしい」と評価する。ただし会社の経営を担う身としては「大きな打撃になる」と複雑な心境を見せる。
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