パンデミックが続く中で、米国のモバイルデバイス二次流通市場が急成長している。下取りに出されているのは、どのような端末なのか。
米国でモバイルデバイスの二次流通市場が活況を呈している。モバイルデバイスの下取りを手掛けるHYLA Mobileによると、米国における2021年第2四半期(4月〜6月)のモバイルデバイス二次流通市場は、前年同期比で約2.53倍の約5億7100万ドル(約634億円)だった。消費者がモバイルデバイスを機種変更する動きが活発で、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)前の水準に回復しているという。
HYLA Mobileは、2021年第2四半期に下取り件数の多かったモバイルデバイス上位5機種も発表した。首位は2期連続で、Appleが2018年9月に発売した「iPhone XR」が獲得。続いて「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」「iPhone 11」「iPhone X」がランクインした。
iPhone 11は2019年9月発売の、まだ比較的新しい機種だ。だが「5G」(第5世代移動通信システム)を使った高速通信ができる「iPhone 12」と比べて魅力を発揮できず、消費者が買い替えに踏み切ったとHYLA Mobileはみる。2021年第2四半期におけるiPhoneシリーズ全体の平均下取り価格は、前年同期から40ドル以上上昇し、196.60ドルだった。
OSに「Android」を採用しているモバイルデバイスでは、2021年第2四半期にはSamsung Electronicsのスマートフォン「Galaxy S9」が下取り件数で1位となった。Androidスマートフォンの平均下取り価格は前年同期から12ドル以上上昇し、97.03ドルだった。
後編は、米国でモバイルデバイス二次流通市場が活況を呈している背景を解説する。
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