バックアップツールは一見すると似た機能を提供しているが、特徴的な違いがある。主要な4つのツールを紹介する。
企業内のデータを守るにはどのようなツールを使用すればいいのか。前編「バックアップで“定番”の『Veeam』と『Rubrik』の違い 何を押さえるべきか?」に続き、本稿はCommvault Systems、Cohesity、Acronis International、Veritas Technologiesのバックアップツールを紹介する。
Commvault Systemsの「Commvault Backup & Recovery」は、バックアップを導入する企業にとっては堅実な選択肢だと言える。仮想マシンやデータベース、クラウドサービス、コンテナなど幅広い対象のバックアップとリカバリー(復元)ができる。Commvault Backup & Recoveryはデータ暗号化、重複排除、きめ細かなリカバリーなどの機能も提供する。
一方で「ライセンス体系が紛らわしい」と指摘するユーザー企業もある。これに対処するため、Commvault Systemsは「Complete Data Protection」という製品を追加した。これはバックアップ機能と災害復旧(DR)機能を1つにまとめることで、ライセンスの仕組みを簡素化している。
「Metallic Cloud Storage Service」というCommvault Systemsのサービスを使えば、Commvault Backup & Recoveryをクラウドサービス群「Microsoft Azure」で使うことが可能になる。
Acronisの「Acronis Cyber Backup」はさまざまなハイパーバイザーで稼働する仮想マシンをバックアップ対象にできる。VMwareやMicrosoftのハイパーバイザーだけではなく、Red Hatの「KVM」やOracleの「Oracle VM」、Citrix Systemsの「XenServer」などのハイパーバイザーで稼働する仮想マシンも対象になる。AI(人工知能)技術を使ったランサムウェア対策を組み込んでいることもAcronis Cyber Backupの特徴だ。
「Acronis Cyber Protect」はバックアップ、災害復旧(DR)、ゼロデイ攻撃対策などをまとめたAcronisのスイート製品。Acronis Cyber Backupもこのスイート製品の一部に組み込まれている。
Cohesityの「Cohesity DataProtect」はサービスなので、わずか数分で稼働状態にできる。Cohesity DataProtectでは物理サーバや仮想マシン、データベース、クラウドなどが保護対象となる。
仮想マシンに影響を与えることなくスナップショットを無制限に作成できることや、仮想マシンとファイルの両方のインスタントリカバリー(高速な復旧)ができることが、Cohesity DataProtectの特徴だ。Cohesity DataProtectは「MegaFile」という機能によって、大容量のファイルを小さなブロックに分割することで復元時間を短縮する。
「Veritas Backup Exec」などVeritasが提供するバックアップソフトウェア群は、1つのコンソールで一元管理が可能だ。VMwareおよびMicrosoftのハイパーバイザー向けの「Backup Exec Accelerator」は、仮想マシンのバックアップ速度を上げるアクセラレータ機能を搭載する。
Veritasのバックアップソフトウェアは、Microsoftのハイパーコンバージドインフラ(HCI)ソフトウェア「Azure Stack HCI」のバックアップ機能として利用できる。Amazon Web Services(AWS)のオブジェクトストレージ「Amazon S3」(Amazon Simple Storage Service)をバックアップ先として使えること、Microsoftのデータベースサーバ「SQL Server」のインメモリOLTP(メインメモリを使ったオンライントランザクション処理)のバックアップができるという特徴もある。
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