バックアップで“定番”の「Veeam」と「Rubrik」の違い 何を押さえるべきか?6つのバックアップツールを比較【前編】

バックアップの導入を考える際、どのような製品を候補として検討すればいいのか。主要なバックアップツールの特徴を紹介する。

2021年11月10日 05時00分 公開
[Brien PoseyTechTarget]

 企業は日々さまざまなデータを生み出している。IT管理者はそのデータを安全に守り、データを常にアクセス可能な状態にすることが重要だ。幸い、それに役立つツールは存在する。Veeam Software、Veritas Technologies、Rubrik、Commvault Systems、Cohesity、Acronis Internationalなどのバックアップツールを紹介する。

 バックアップツールを選ぶ際は、データ保護の機能が十分であることはもちろん重要だが、それだけでなく運用の負担軽減ができることも考慮した方がよい。ベンダー各社の製品には、それぞれ独自の特徴と機能がある。

Veeam Softwareの「Veeam Backup & Replication」

 もともとVeeam Softwareの「Veeam Backup & Replication」は、仮想マシンをバックアップするツールとして誕生した。次第に包括的なバックアップソフトウェアへと進化して、クラウドサービスや物理サーバを含めて多様な対象をバックアップできるようになった。

 Veeam Backup & Replicationのバージョン11は、継続的データ保護(CDP)の新機能を追加した。これにより、以前のバージョンではレプリケーションに必須だったスナップショットの作成が不要になる。CDPはデータの変更点を常時監視し、継続的にデータを複製する手法だ。

 バージョン11はランサムウェア(身代金要求型マルウェア)からバックアップを守るためのリポジトリも導入した。このリポジトリはバックアップを変更不可の形式で保存する。Microsoftのデータベースサーバ「SQL Server」やOracle製データベースのインスタントリカバリー(即座の復旧)も同バージョンで可能になった。

Rubrikの「Rubrik Cloud Data Management」

 Veeam Backup & Replicationと同様に、Rubrikの「Rubrik Cloud Data Management」も仮想マシンやデータベース、クラウドサービスのバックアップとリカバリーを提供する。

 Rubrik Cloud Data Managementは自動バックアップやデータの高速検索、インスタントリカバリーなどの機能を備える。バックアップ管理者はダウンタイム(システムの停止時間)を発生させることなく迅速にデータを探して復元できる。ユーザー企業はCDP機能を利用することでデータの損失を減らし、短いRPO(目標復旧時点)を達成しやすくなる。

 既存のワークフローにバックアップを組み込む際もRubrik Cloud Data Managementは役立つ。API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使用して、既存の管理ツールとバックアップを連携できる可能性がある。


 後編はCommvault Systems、Cohesity、Acronis、Veritas Technologiesのバックアップツールを紹介する。

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