物流企業が「EDR」から「XDR」に乗り換えた“セキュリティだけじゃない”理由EDRを超えて「XDR」へ【前編】

新興セキュリティベンダーUptycsの「XDR」製品を導入し、セキュリティの向上を図る物流企業のFlexport。それまで使っていた「EDR」製品からXDR製品に乗り換えたのはなぜなのか。同社の幹部に聞く。

2021年11月10日 05時00分 公開
[Beth PariseauTechTarget]

 米国物流企業のFlexportは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進める中でセキュリティの運用を見直し、「XDR」(Extended Detection and Response)製品を採用した。XDRとは、クラウドサービスやネットワーク、エンドポイント(PCやスマートフォンなど)といったシステム全体のデータを分析した上で、脅威を検知し対処する技術だ。エンドポイントのみを対象にした「EDR」(Endpoint Detection and Response)の拡張版とも呼ばれる。

XDRへの置き換えによる、セキュリティ向上だけではない「うれしい効果」とは

 Flexportは2019年、システムをオンプレミスインフラからAmazon Web Services(AWS)のクラウドサービスへ移行。それを機にセキュリティの新しい方法を検討し始めた。Flexportはもともと、IT機器やアプリケーションのログを一元的に管理して侵入を防ぐ「SIEM」(Security Information and Event Management)製品やEDR製品を利用していた。それらをベースとしたセキュリティの仕組みの刷新を考えたのが、XDR製品の採用にいたった取り組みの始まりだった。

 まずFlexportは、SIEM製品をログ管理ベンダーSumo Logicの製品に置き換えた。合わせてマルウェア対策のツールも導入した。その時、Flexportセキュリティ運用担当取締役のテーラー・メリー氏が、Uptycsという新興セキュリティベンダーの創業者らに合う機会があった。UptycsはEDR製品より包括的にシステムを守るXDR製品を手掛けている。メリー氏はUptycsのXDR製品を高く評価し、導入を決定。従来のEDR製品と置き換えることにした。

 Flexportが使っていたEDR製品は、現在はPalo Alto Networksが傘下に収めているRedLockの製品だった。メリー氏はRedLockのEDR製品について「優れたツールではあるが、価格設定が大企業向けだ」と弱点を語る。RedLockのEDR製品を、価格が「身の丈に合った」と判断したUptycs製品に置き換えることによって「セキュリティの向上はもちろん、コスト削減も図っている」と同氏は言う。


 後編は、FlexportがUptycsのXDR製品に関して何を評価したかを紹介する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news190.jpg

YouTube広告の実店舗売り上げへの貢献を計測 インテージが「Sales Impact Scope」を提供開始
インテージがYouTube出稿による小売店販売への広告効果を計測するサービスを提供開始した...

news160.jpg

2025年のデジタル広告業界の展望 日本のマーケターの優先メディアと課題は?
IASは、2025年におけるデジタル広告業界の主要なトレンドについて掘り下げたレポート「Th...

news026.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年1月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。