「VLAN」には幾つかの構成方法がある。本稿は「タグVLAN」と「サブネットベースVLAN」の基本を紹介する。
「VLAN」(仮想LAN)の標準規格「IEEE 802.1Q」は、タグ(付加情報)を使ったVLAN(タグVLAN)の識別方法を規定している。VLANのイーサネットフレーム(LANに流れるデータ)は、先頭に宛先と送信元のMAC(メディアアクセス制御)アドレスがあり、その後にVLANを識別する番号である32bitのタグが続く。
タグVLANを理解するには、VLANのタグの役割と構成要素を理解する必要がある。それぞれ以下の通りだ。
TPID(Tag Protocol Identifier)は、タグの最初の16bitを構成する。TPIDにはVLANのフレームであることを示す16進数の「0x8100」が入る。VLANではないフレームの場合は、TPIDのフィールドに別の「EtherType」(イーサネットの種類を表す識別子)の値が入る。
TPIDの後には16bitのTCI(Tag Control Information)が続く。TCIのフィールドは次の3つで構成する。
PCPはVLANを共有するアプリケーションに必要なサービス品質を指定する。QoS(Quality of Service)に関する規格「IEEE 802.1p」は、サービス品質のレベルを以下のように定義している。
PCPに続く1bitのDEIはPCPを補足するもので、ネットワークで輻輳(ふくそう)が発生したときに廃棄可能なパケットを識別する。VIDは4096個のVLANを識別する役割がある。
IPアドレスを使用して識別するサブネットベースVLANは、無線LANに拡張することもできる。VLAN機能を備える無線LANアクセスポイント(AP)は、各VLANに関連付いたサブネットのIPアドレスを使用してトラフィックを分離する。端末は対象となるサブネットのデータのみを受信する。
VLANはイーサネットが企業の間で広く使用されるようになった初期の頃に発展した技術だ。ブロードキャスト(データの一斉送信)を制限し、トラフィックに優先順位を付けることを目的としている。ネットワークの規模が拡大して複雑になるにつれて、VLANが有効になる。
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