ソフトウェアコンサルティング企業Thoughtworksはコロナ禍をきっかけにホワイトボードアプリ「MURAL」を導入した。「オフィス勤務を再開してもMURALを使い続ける」と同社が考える理由は。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響で、ソフトウェアコンサルティング企業Thoughtworksは2020年の年次計画会議をオンライン開催に切り替えざるを得なくなった。前編「Zoomを使うコンサル企業が、ホワイトボードアプリ『MURAL』を導入した訳」は、同社が経営陣の意見交換に、Tactivosのホワイトボードアプリケーション「MURAL」を採用した経緯を紹介した。後編となる本稿は、Thoughtworksの従業員がMURALをどのように利用しているのかを紹介する。
Thoughtworksのスペシャルプロジェクト担当ディレクターであるジェームズ・ピケット氏は「2020年から現在までの間、COVID-19の影響でThoughtworksの従業員がテレワークを強いられる中で、全社的にMURALの採用が広がった」と説明する。パンデミック以前、従業員がまだ同じオフィスで勤務していたころは、会議で付せんを使ってアイデアを出し合ったり、物理ホワイトボードにコンセプトを描き出したりすることが日常だった。従業員がテレワークをするようになっても、こうしたコラボレーション手段は必要だった。
「MURALが解決してくれた最大の課題は、アイディエーション(発想)のための仮想作業スペースを創出することだった」とピケット氏は話す。同氏が最もよく使うホワイトボードアプリケーションのコラボレーション機能は「付せん」と「投票」だ。どちらもブレーンストーミングや、コンセプトの優先順位決めに利用している。
他のコラボレーションツールとMURALを併用することもある。併用が特に頻繁なのが、Zoom Video CommunicationsのWeb会議ツール「Zoom」。Zoomの会議ではデスクトップ共有機能を使ってMURALのホワイトボードを共有したり、ピケット氏から参加者にMURALのホワイトボードのURLを共有したりしている。
従業員がテレワークをやめてオフィスに戻ったとしても、MURALは今後もチームにとって重要なコラボレーションツールであり続ける、とピケット氏は確信している。「チームが対面とオンラインに分かれた場合、全員が平等に参加できるよう、オンラインのコラボレーションツールは引き続きチームワークに欠かせない“空間”になるだろう」(同氏)
Thoughtworksの従業員は総じて、会議後に資料の共有や配信ができる仮想作業スペースで働くことに慣れている。「たとえ全員が同じ物理拠点にいたとしても、チームがMURALを使い続ける可能性はある」とピケット氏は話す。
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