コンサル企業が「出社再開でもホワイトボードアプリMURALを使い続ける」理由ホワイトボードアプリはコンサル企業の会議をどう変えたか【後編】

ソフトウェアコンサルティング企業Thoughtworksはコロナ禍をきっかけにホワイトボードアプリ「MURAL」を導入した。「オフィス勤務を再開してもMURALを使い続ける」と同社が考える理由は。

2021年11月12日 05時00分 公開
[Katherine FinnellTechTarget]

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響で、ソフトウェアコンサルティング企業Thoughtworksは2020年の年次計画会議をオンライン開催に切り替えざるを得なくなった。前編「Zoomを使うコンサル企業が、ホワイトボードアプリ『MURAL』を導入した訳」は、同社が経営陣の意見交換に、Tactivosのホワイトボードアプリケーション「MURAL」を採用した経緯を紹介した。後編となる本稿は、Thoughtworksの従業員がMURALをどのように利用しているのかを紹介する。

オフィス出社再開でもホワイトボードアプリMURALを使い続ける理由

 Thoughtworksのスペシャルプロジェクト担当ディレクターであるジェームズ・ピケット氏は「2020年から現在までの間、COVID-19の影響でThoughtworksの従業員がテレワークを強いられる中で、全社的にMURALの採用が広がった」と説明する。パンデミック以前、従業員がまだ同じオフィスで勤務していたころは、会議で付せんを使ってアイデアを出し合ったり、物理ホワイトボードにコンセプトを描き出したりすることが日常だった。従業員がテレワークをするようになっても、こうしたコラボレーション手段は必要だった。

 「MURALが解決してくれた最大の課題は、アイディエーション(発想)のための仮想作業スペースを創出することだった」とピケット氏は話す。同氏が最もよく使うホワイトボードアプリケーションのコラボレーション機能は「付せん」と「投票」だ。どちらもブレーンストーミングや、コンセプトの優先順位決めに利用している。

 他のコラボレーションツールとMURALを併用することもある。併用が特に頻繁なのが、Zoom Video CommunicationsのWeb会議ツール「Zoom」。Zoomの会議ではデスクトップ共有機能を使ってMURALのホワイトボードを共有したり、ピケット氏から参加者にMURALのホワイトボードのURLを共有したりしている。

 従業員がテレワークをやめてオフィスに戻ったとしても、MURALは今後もチームにとって重要なコラボレーションツールであり続ける、とピケット氏は確信している。「チームが対面とオンラインに分かれた場合、全員が平等に参加できるよう、オンラインのコラボレーションツールは引き続きチームワークに欠かせない“空間”になるだろう」(同氏)

 Thoughtworksの従業員は総じて、会議後に資料の共有や配信ができる仮想作業スペースで働くことに慣れている。「たとえ全員が同じ物理拠点にいたとしても、チームがMURALを使い続ける可能性はある」とピケット氏は話す。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

製品資料 アドビ株式会社

PDF運用の改善で業務効率化や生産性向上を実現、その実践方法とは?

ビジネスにおけるさまざまなシーンで活用されている「PDF」。昨今、業務効率化や生産性向上、コスト削減を図るべく、PDF運用を見直す機運が高まっている。この実践を支えるソリューションの機能や特徴、活用方法を紹介する。

製品資料 株式会社スタディスト

「そのマニュアル、本当に見られている?」 活用されるマニュアルのポイント

業務マニュアルは使われて初めてその効果を発揮するが、そもそも見られていないことから、業務課題を一向に解決できないという企業は多い。“活用されるマニュアル”を作成・共有するには、どんなポイントを押さえるべきか。

製品資料 株式会社スタディスト

現場で使われないマニュアルと決別、活用されるために必要なコツとは

マニュアル作成において、90%以上の組織がビジネスソフトを利用しているが、それでは活用されるマニュアルへのハードルは高い。きちんと現場に使われるマニュアルにするために、ノウハウを把握しておきたい。

製品資料 株式会社スタディスト

不適合品発生の原因は「人」と「方法」、改善を促すマニュアル作成・運用術

製造業では、不適合品を極力減らすカイゼンの取り組みが重要だ。ある調査によると、不適合品発生の原因の多くは「人」と「方法」に関連しているという。企業の対応策で一般的なのはマニュアルの運用だが、ここには落とし穴がある。

製品資料 株式会社スタディスト

DXの推進を阻む「移行コスト」を解消し、新規ツールを浸透させるには?

あらゆる業界でDXの取り組みが加速する一方で、成功を実感している企業は1割にも満たないという。最大の障壁となる「移行コスト」を解消し、新規ツールを「誰にでも使える」状態にするための方法を探る。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。