攻撃者はディープフェイクを悪用して事実を改ざんし、さまざまな詐欺行為に及ぶ。ディープフェイクの仕組みと、脅威を軽減するための対策を紹介する。
デジタル世界の匿名性は、画面の向こうに誰がいるのかを知ることを難しくする。この不透明な空間は詐欺を働こうとしている者に、企業と消費者の両方にいかさまを仕掛けるチャンスを提供する。「ディープフェイク」を用いる場合は特にそうだ。
ディープフェイクは、実在する人間の特徴を模倣して作られた画像、動画、音声を指す。攻撃者が詐欺行為に使うディープフェイクに、人々の懸念が高まっている。
攻撃者はディープフェイクにより、もっともらしい偽の画像を生成し、事実を改ざんできる。ディープフェイクは「人工ニューラルネットワーク」(ANN:Artificial Neural Network)を使用する。ANNはデータのパターンを認識する技術だ。
ディープフェイクを作成するには、画像や動画でANNをトレーニングし、人の顔のパターンを特定して再構築できるようにする必要がある。ディープフェイクは個人、企業、政府を標的にした金融犯罪によく使われる。新興市場や金融不安に陥っている市場では、ディープフェイクが特に深刻な危険をもたらす場合がある。
詐欺対策で最も重要なこととして「警戒」が挙げられる。攻撃者は執念深く、常に活動しており、あらゆる穴や弱点を利用しようとするからだ。
ディープフェイクの現状を調べることが、対策の1つ目のステップとなる。注意すべき点を知っていれば、この段階でディープフェイクが見つかることがある。例えばディープフェイク動画には、次のような兆候がある。
動画制作者が、自らの制作した動画であるかどうかを確かめるのに役立つ技術も登場している。例として、暗号アルゴリズムを使って、動画に一定間隔でハッシュ値を挿入する技術がある。動画が改変されるとハッシュ値も変更されるため、改変を検出できる仕組みだ。
セキュリティ対策は詐欺被害の防止に大きな役割を果たす。新しい脅威であるディープフェイクの台頭は、攻撃者が利用できる技術、特に機械学習やデータ分析技術の発展によるところが大きい。企業は同じ技術を使ってディープフェイクに対抗できる。
ディープフェイクの細部が変化しても、対策の基本的なベストプラクティスは同じままだ。企業は自衛と警戒を保つことで、ディープフェイクの一歩先を行くことができる。
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