テレワークの従業員と、オフィスに出勤する従業員が混在する「ハイブリッド会議」は、いまや当たり前の会議手段になった。従来の会議室は、こうした変化に必ずしも追従できていないという。どういうことなのか。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が発生する前、共同作業の中心的な場所はオフィスの会議室だった。従業員が集まって意見を出し合い、アイデアをホワイトボードに書いていた。
その状況は一変した。
コロナ禍以降、オフィスの会議室には人がいなくなった代わりに、テレワークによる共同作業が連帯感を高めている。今後は、リモートの参加者と会議室の参加者が混在する「ハイブリッド会議」という中間的な取り組みが増える可能性がある。
こうした中、厳しい現実が浮き彫りになっている。現在の会議室には総じて、Web会議ツールなどのビジュアルコミュニケーションツールを活用した、新しい働き方を支援する設備が整っていないのだ。
リモートの参加者は会議室のホワイトボードが見えにくく、スピーカーフォンを通して音声だけで参加せざるを得ないこともあり、議論に加わりにくい。「短期的に見るかぎり、会議室の準備は整っていない」。調査会社Metrigyのプレジデント兼プリンシパルアナリストを務めるアーウィン・レザー氏は、こう指摘する。
チームメンバーが分散する中、人々は作業を視覚的に共有して意見を書き込んだり、概念図を描いたりするための仮想的な方法を求め始めている。その結果として進み始めているのが、仮想的なホワイトボードを実現する「ホワイトボードアプリケーション」の導入だ。
第2回はホワイトボードアプリケーションを会議に取り入れる上での課題を考察する。
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