Zoomを使うコンサル企業が、ホワイトボードアプリ「MURAL」を導入した訳ホワイトボードアプリはコンサル企業の会議をどう変えたか【前編】

コロナ禍の影響で経営陣の年次会議をオンライン開催せざるを得なくなったソフトウェアコンサルティング企業Thoughtworksは、Web会議ツール「Zoom」に加えてホワイトボードアプリ「MURAL」を導入した。その成果は。

2021年10月29日 05時00分 公開
[Katherine FinnellTechTarget]

 ソフトウェアコンサルティング企業Thoughtworksが年1回開催する計画会議では、同社の経営陣30人近くが11カ国から集まり、優先すべきプロジェクトや次年度の計画について話し合う。共同作業が求められる、密度の濃いイベントだ。

 ところが2020年、Thoughtworks5日間の年次計画会議を準備する段階で予想外の事態が起きた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)だ。同社はオフィスを閉鎖し、海外渡航を凍結し、同年の年次計画会議をオンライン会議へと切り替えた。

年次計画会議でホワイトボードアプリ「MURAL」はどう役立ったのか

 Thoughtworksのスペシャルプロジェクト担当ディレクターであるジェームズ・ピケット氏は、オンライン会議の立ち上げを担ったイベント推進担当者の一人だった。ピケット氏は、この困難に立ち向かうために独創性を発揮しなければならなかった。同社の経営陣が集まる年次計画会議では通常、物理的なホワイトボード、インタラクティブな投票システム、壁に貼る付せんなどを使っていた。

 このやり方をオンライン会議で再現するのは難しかった。ピケット氏は検討の末に、Tactivosのホワイトボードアプリケーション「MURAL」を年次計画会議の主要なコミュニケーションツールとして採用した。

 ピケット氏はMURALを2018年から使用していた。同氏のチームのビジネスアナリストが、「物理的なホワイトボードよりも、コンセプト視覚化に役立つソフトウェアを使いたい」という理由で導入したのがきっかけだった。

 大型タッチディスプレイの「インタラクティブホワイトボード」(IWB。電子黒板とも)や、ソフトウェアのホワイトボードアプリケーションなどは、テレワークを支え、Web会議ツールだけでは不足しがちなアイディエーション(発想)体験を提供する製品分野として成長しつつある。

 オンライン開催となったThoughtworksの年次計画会議は、3週間の間に3時間のセッションを5回実施した。各セッションの前に、MURALを使って16個のプロジェクトに関する投票を実施し、優先順位を決定した。Zoom Video CommunicationsのWeb会議ツール「Zoom」とMURALを連携させることで、大勢の参加者が一堂に会することができ、Zoom会議中に少人数で話せる「ブレークアウトルーム」機能でMURALホワイトボードの専用セクションを使いながらチーム会議を開催した。

 「MURALは経営陣に比較的簡単に使ってもらうことができた」とピケット氏は振り返る。年次計画会議の前からMURALを使ったことのある参加者も何人かいた。MURALの使用感については全般的に好評だったという。


 後編は、Thoughtworksの従業員がMURALを利用している様子について紹介する。

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