プライバシーを侵害せずに、企業がテレワーク中の従業員の生産性を把握したい場合、「Microsoft Teams」のアクティビティーレポートを利用するという手段がある。Teamsはどのような行動を計測しているのか。
テレワーク中の従業員の生産性を把握したい企業は、ビジネスアプリケーションで従業員の行動を確認する方法を模索し始めるものだ。中でもWeb会議ツール「Microsoft Teams」(以下、Teams)は、サブスクリプション型オフィススイート「Microsoft 365」に組み込まれているアプリケーションであるため、企業にとって従業員の行動確認に利用しやすい。
Teamsは何を「アクティビティー」と定義してユーザーの行動を記録しているのか。本稿はTeamsの管理画面で確認できる項目とできない項目を解説する。プライバシーを侵害せずに、企業が従業員の生産性をチェックする方法はあるのか。
Microsoft 365の管理画面では、Teamsを含むMicrosoft 365の全アプリケーションを横断してエンドユーザーのアクティビティーやアプリケーションの使用状況を確認できる。このデータの参照期間は7日、30日、90日、180日から選択でき、CSV形式でエクスポートすることも可能だ。Teamsに関して参照できる項目の一例は以下の通りだ。
エンドユーザーがTeamsでチャットや音声通話、Web会議、ファイル共有などを実施するたびに、レポートに利用状況が反映される。チャットのメッセージに関しては、集計期間内の投稿、返信、引用、リアクションが集計される。ただし「連絡可能」「取り込み中」「応答不可」「退席中/一時退席中」「オフライン」「すぐに戻る」といったステータスの表示時間は記録の対象外となっている。
アクティビティーの集計はエンドユーザーがTeamsを使っている場合でのみ有効だ。エンドユーザーが使っているTeamsのアプリケーションは、デスクトップ版か、モバイル版か、Web版かを問わない。
Teamsには、レポートを匿名化する標準機能がある。この機能を有効化することで、企業は従業員のプライバシーを保護しながら必要なアクティビティー情報を入手できるようになる。匿名化すべき個人識別情報の一例は下記だ。
アクティビティー情報を保護するもう一つの方法は、アクティビティーレポートを閲覧できる管理者の数を制限することだ。Teamsのアクティビティーレポートを閲覧できるのは以下の権限を持つエンドユーザーだ。アクティビティーレポートの悪用を防ぐために、Microsoftは権限を持つ管理者の数を信頼できる少数に限定することを推奨している。
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