ランサムウェア攻撃の被害を防ぐ「5W」【前編】
企業が“ランサムウェア攻撃責任者”を決めるのはなぜ重要なのか
ランサムウェア攻撃による被害を減らすために、事前に計画を立てることが肝だ。具体的にどうすればいいのか。「5W」(5つの問い)に沿った計画作りのこつを紹介する。
勢いを増しているランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃はさまざまな企業にとって、もはや無視できない脅威になっている。ランサムウェア攻撃も震災と同様、「いつ起きてもおかしくない」という意識を持ち、事前に対策を講じることが重要だ。
ランサムウェア攻撃はシステムの停止に限らず、データ流出につながる恐れもある。攻撃者に身代金を支払ったとしても、失われたデータを全て取り戻せる可能性が低いことも専門家は指摘している。企業はどうすれば、ランサムウェア攻撃による被害を最小限に抑えることができるのか。本稿は「誰」「何」「いつ」「どこ」「なぜ」の「5W」(5つの問うべきこと)を軸に計画を立て、ランサムウェア攻撃に立ち向かうための取り組みを紹介する。
1.「誰」(Who)が復旧計画実行の責任者になるか
併せて読みたいお薦め記事
ランサムウェア攻撃に立ち向かうための知恵
企業はランサムウェア攻撃を受けたら、IT部門の全従業員を動員し、迅速に対処することが重要だ。それが被害を減らすための鍵を握る。ここでポイントになるのは、あらかじめリーダー役を決め、その人が仕切る形で復旧計画を実行することだ。ランサムウェア攻撃を受けたら、IT部門は被害の評価といった緊急対策に追われる。そのため、復旧計画を実行に移す人員がいなくなる恐れがある。企業はランサムウェア攻撃を受ける前の段階からIT部門の各従業員の責任を明確にし、業務分担を決めておくとよいだろう。
2.「何」(What)を優先的に復旧対象とするか
企業が有するデータにはさまざまな「重要」のレベルがある。つまり、全てのデータが最重要というわけではない。このことを、まず意識することが大切だ。企業はデータの重要度を評価し、復旧の優先順位を付ける必要がある。特に日頃のビジネス活動に欠かせないデータは何かを特定し、それを優先的に復旧させることが肝心だ。攻撃を受けた際は、事前に決めた復旧の優先順位を厳守することを心掛けよう。
3.「いつ」(When)の時点のデータを復旧させるか
「いつまでにデータを復旧させるか」だけではなく、「いつの時点のデータを復旧させるか」を考える必要がある。後者は災害復旧(DR)の用語を使うと、RPO(目標復旧時点)のことだ。企業はランサムウェア攻撃を受けたら、その時点でデータが暗号化されるため、それより前のデータを復旧させる必要がある。そのために手っ取り早いのが、最新のデータの複製を探し、それを使って復旧を図ることだ。
後編は、「Where」(どこで感染するか)と「Why」(なぜ復旧対策が重要か)を取り上げる。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[アトラシアン株式会社] IT運用や従業員サポートは生成AIでどう変わる? 使い方や導入の流れは? -
製品資料
[株式会社みらい翻訳] 音声翻訳活用の課題を解決、“本当に使える”ツールの特徴とは? -
製品レビュー
[Wrike Japan 株式会社] 400店舗を支えるWalmart Canada、散在する情報やアナログな管理をどう変えた? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] 年間100件超のDXプロジェクトを統合管理、JERAはどのように実現した? -
事例
[Wrike Japan 株式会社] グローバルなクリエイティブ業務を合理化、エスティーローダーに学ぶ実践のコツ
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
2
身代金支払いは逆効果 情シスのためのランサムウェア対策ガイド2026
-
3
自社を守る「SCS評価制度」活用法 7割の企業が取引先起点の情報漏えいに直面
-
4
ランサムウェア、暗号化の89%は深夜 情シスが備える「夜間の空白」対策
-
5
多要素認証導入済みでもランサムウェア被害に 復旧費用は平均2億7000万円
-
6
「技術屋」で終わるか、部長へ昇格するか 今取りたい「IT×ビジネスの認定資格」5選
-
7
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
8
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
9
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
10
AIエージェントを暴走させない設定、済んでますか? 対策5選を専門家が紹介
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
「スクラム」と「カンバン」の違いとは? アジャイル型開発手法を徹底比較
-
8
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー