リーバイスのAIスキル研修「AIブートキャンプ」に参加するのは簡単ではない。参加定員100人に対し、これまでに約450人の従業員が応募した。そもそもAIブートキャンプとは何なのか。同社責任者に聞いた。
アパレル大手Levi Strauss(以下、リーバイス)が2020年代初頭に始めた「AIブートキャンプ」は実を結んだ。AIブートキャンプは、従業員向けの人工知能(AI)スキル研修だ。この取り組みの責任者によれば、同社はAIブートキャンプによって従業員のエンゲージメント(企業との心理的なつながり)を高め、ITの導入を加速させ、重要スキルの育成を進めることができるようになった。
リーバイスの最高グローバル戦略・AI責任者を務めるカティア・ウォルシュ氏は2022年2月24日(現地時間)、マサチューセッツ工科大学(MIT:Massachusetts Institute of Technology)が出版する経営誌『MIT Sloan Management Review』主催のバーチャルイベントに登壇。「AIスキルが不足すると業務を進めることが困難になる。この分野では激しい人材獲得競争が続いている」と語った。
AIブートキャンプは、コーディングと機械学習に適性のある従業員向けにリーバイスが提供する、8週間フルタイムの集中訓練だ。小売りから流通までのさまざまなプロセスにおける、財務や設計などあらゆる職種の従業員に応募資格を与えた。100人の枠に対し、これまでに約450人から応募があったという。「誰でも応募することはできるが、誰もが受講できるわけではない」とウォルシュ氏は説明する。応募者は関心度、問題解決力、分析力の審査を受ける。
企業がブートキャンプタイプの研修を実施することはよくある。リーバイスのAIブートキャンプの特色は、自社のデータを使って自社の問題を解決するところにある。「コーディングの方法を知らなくてもいいが、考え方や問題解決の仕方は審査する必要がある」(ウォルシュ氏)
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