リーバイスの「AIブートキャンプ」は大人気のAIスキル研修だ。狭き門をくぐり抜けた受講者のその後の活躍ぶりについて、同社責任者が語った。
アパレル大手Levi Strauss(以下、リーバイス)は、従業員向けの人工知能(AI)研修「AIブートキャンプ」を進めている。前編「リーバイスの『AIブートキャンプ』とは? 狭き門を突破し、参加するには?」はAIブートキャンプについて、経営誌『MIT Sloan Management Review』主催のバーチャルイベントに登壇したリーバイス最高グローバル戦略・AI責任者カティア・ウォルシュ氏の話を基に紹介した。本稿はその続編に当たる。
2020年代初頭にリーバイスが始めたAIブートキャンプの現時点までの受講者は100人を超える。そのうち10人がウォルシュ氏のチームに配属され、残りは高いスキルを習得した後、元の部署に戻った。研修を受講した従業員はプログラミング言語「Python」でスクリプト(簡易プログラム)を書いて手動プロセスを自動化できるようになった。その結果、反復的な手動プロセスに費やしていた数百〜数千時間を節約できた。
研修修了者の大多数は、習得したスキルを日常業務の25%か、それ以上に応用している。これは会社が期待した以上の成果だ。ウォルシュ氏は「会社が活性化し、会社に対する忠誠心が高まるという効果もあった」と語る。米国が大退職時代(Great Resignation)を迎える中、AIブートキャンプの修了者やその上司の定着率は高まっていると同氏は説明する。
「AIトレーニングにさまざまな経済的メリットと業務上のメリットがあるのは驚くことではない」。同じバーチャルイベントで、コンサルティング会社Boston Consulting Groupのシャービン・コダバンデ氏(シニアパートナー兼マネージングディレクター)は、こう強調した。「AI技術は部署レベルと全社レベルの両方に文化的なメリットをもたらす」(コダバンデ氏)
今回のバーチャルイベントでウォルシュ氏は、リーバイスのアウトレットストアでジーンズを販売している店長の例を紹介した。かねて客の服選びの手助けをしたいと考えていたその店長は、AIブートキャンプでPythonなどのプログラミングスキルを習得した後、それらのスキルを使って、一緒に購入するのに最適なお薦め商品の情報を生成するアルゴリズムを開発したという。
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