近年、自動車分野におけるデジタル技術の活用が顕著だ。半導体ベンダーのQualcommは、自動車メーカーのFerrariと組み、新たな取り組みに着手した。何を実現しようとしているのか。
自動運転やコネクテッドカー(自動車のネットワーク接続)をはじめ、自動車分野における新技術の活用が進んでいる。そうした中、通信分野向けの半導体を得意としてきたQualcomm Technologies(クアルコム、以下Qualcomm)は、イタリアの自動車メーカーであるFerrari(フェラーリ)と戦略的なパートナーシップを締結した。
Qualcommは、クラウドサービスに接続する自動車向けの製品・機能群「Snapdragon Digital Chassis」を提供している。Ferrariは同社のスポーツカーにSnapdragon Digital Chassisを取り入れる。
Snapdragon Digital Chassisは次世代の自動車に必要となるさまざまな機能を提供する。例えばネットワーク接続、デジタルコックピット(デジタル技術を使った運転席)、ADAS(先進運転支援システム)などがある。Snapdragon Digital Chassisの特徴の一つは機能アップデートができることだ。それによって自動車が廃車になるまで、安全性やデジタルエクスペリエンスを継続的に向上させることができる。
QualcommはFerrariとの戦略的な取り組みの一環として、デジタルコックピットの設計や開発にも協力する。両社の協力は2022年のフォーミュラ1(F1)世界選手権で本格的に始まる。FerrariのF1レーシングチームのシングルシーター(1人乗り)F1カー「F1-75」が、Qualcomm製品を搭載する。両社はビデオゲームによる競技であるeスポーツ分野でも協力する。
FerrariのCEO(最高経営責任者)、ベネデット・ビーニャ氏は「Qualcommとの協力によって、自動車やモータースポーツに大きな可能性をもたらすデジタル技術についての知見を深めることができる。デジタル技術に関するFerrari独自の解釈を施す」と述べる。
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