求人票で“ロックスター”を募集してはいけない納得の理由人材多様性を高める求人票「4つのヒント」【第1回】

求人を通じて人材の多様性を実現したい――。そう考える採用担当者にとって重要なのが、求人票の作成だ。求人票に盛り込んだ内容が、多様性の実現を遠ざけてしまう可能性があるという。どういうことなのか。

2022年05月19日 10時00分 公開
[Carolyn HeinzeTechTarget]

関連キーワード

人事


 「DEI」(Diversity、Equity、Inclusion:多様性、公平性、包摂性)の取り組みを前進させるためにできる施策は幾つかある。その一つは、「従業員ジャーニー」(注1)のスタート地点である求人票に掲載する文章の精査だ。

※注1:企業に所属する中で従業員が得られる体験価値を、旅になぞらえて捉える手法。

「ロックスター求む」が“駄目”な理由

 例えば企業が米国で求人を出す場合、求人票に「ロックスター」という肩書は使わないことが望ましい(注2)。ロックスターと言われたとき、米国では一般的に白人男性を思い浮かべ、有色人種の女性を思い浮かべるとは考えにくい。こうした女性や有色人種の志望者がきびすを返しかねない言葉の使用は避ける。求人票で用いる言葉に気遣うことは、インクルーシブ(包摂的)な職場を作る重要な第一歩につながる。

※注2:米国では若い従業員向けのアピール手法として、昔ながらの肩書を廃止して「エバンジェリスト」「ロックスター」「ニンジャ」といった目新しい仕事の肩書を追加する文化が広まっている。

 人材コンサルティング会社AMSでDEIアドバイス担当シニアバイスプレジデントを務めるジュディ・エリス氏によると、求人票がインクルーシブなものであればあるほど、多様な経歴を持つ志望者が集まる可能性が高まる。


 第2回以降は、採用担当者がDEIを踏まえた求人票を作るためのポイントを紹介する。紹介するのは、以下の4つのポイントだ。

  1. 排他的な言葉を把握する(第2回で紹介)
  2. 必須ではない職務要件は取り除く(第3回で紹介)
  3. 求人対象者に伝わる言葉を選ぶ(第4回で紹介)
  4. 限界を理解しつつ、支援ツールを活用する(第4回で紹介)

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news108.jpg

TikTok売却義務化に合憲判決 これからのシナリオを左右しそうなトランプ氏と「あの人」の意向
米連邦控訴裁判所は、TikTokが米政府による強制売却法案の無効を求めるTikTokの申し立て...

news006.jpg

「TikTok禁止」は結局、誰得? どうするトランプ氏――2025年のSNS大予測(TikTok編)
米国での存続を巡る議論が続く一方で、アプリ内ショッピングやAI機能の拡大など、TikTok...

news202.jpg

ネットの口コミを参考に8割超が商品を購入 最も参考にした口コミの掲載先は?
ホットリンクは、口コミ投稿の経験や購買への影響を調査した結果を発表した。