D&Iを強化しようと考える世間の風潮の中で、賃金格差の解消に目を向ける企業がある。賃金格差の解消に役立つIT製品を紹介する。身近な“あのツール”も有用だ。
ダイバーシティー&インクルージョン(D&I:人材の多様性を広げ、それを受容する文化を形成すること)の取り組みを強化しようというトレンドが企業の間で拡大しつつある。それに伴い、企業が目を向けつつあるのが「同一労働同一賃金」(ペイエクイティ)だ。人事部門が同一労働同一賃金の取り組みを実施しようと考えたとき、幾つかのIT製品が役立つ可能性がある。
本稿は、人事部門が自社の賃金格差を精査するのに役立つIT製品を紹介する。
「人事システム」は、賃金格差の問題を浮き彫りにしようとする人事部門にさまざまなメリットをもたらす。例えばD&Iに関連するデータ、賃金に関連するデータ、昇進に関連するデータなど、従業員に関わるあらゆるデータを1カ所に集約できる。一般的に人事システムはレポート作成機能を備えており、同一労働同一賃金に関するレポートの作成、提出を容易にする可能性がある。人事システムによっては、以降で紹介するIT製品を機能として含むものもある。
人事部門は基本的なレポート作成機能を持つ「レポーティングシステム」を使って従業員の賃金データをまとめたレポートを作成し、同一労働同一賃金が実現できているかどうかを分析できる。こうしたレポートの作成は、賃金格差を見極めるプロセスの適切な第一歩になる。
「Microsoft Excel」をはじめとする「表計算ツール」は賃金格差解消のための“ハイテクツール”ではない。ただし手軽に利用でき、複数ソースのデータをまとめられるため、レポート作成や分析用途で企業が一般的に利用している。詳細な分析をするためには、高度なスキルを必要とする場合もある。
賃金格差解消のための分析に表計算ツールを利用する場合、人事部門は以下2点を考慮する必要がある。
後編も引き続き、同一労働同一賃金を実現するために役立つIT製品を紹介する。
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