株式市場のNasdaqがAWSと連携し、各市場のクラウドサービス移行を進めることを発表した。同社の狙いと、移行の中核要素となるAWSサービスを説明する。
米国の新興企業向け株式市場を運営するNasdaqは、Amazon Web Service(AWS)が2021年12月に開催した年次イベント「AWS re:Invent 2021」で、AWSとの連携を発表した。米国のオプション取引所「Nasdaq MRX」を皮切りに、2022年から北米の各取引所の段階的なAWS移行を進める。
ピーターソン氏は「クラウドサービスであれば取引量に応じてインフラの拡大や縮小がしやすく、予想外の取引増にでもシステム停止の心配をしなくてよくなる」と話す。オンプレミスインフラと同等またはそれ以上のデータ処理速度やセキュリティが実現できることも、クラウドサービス移行を促す要因となった。
Nasdaqはクラウドサービス移行に備え、Nasdaq MRXを含む各市場を「Fusion」というシステムに移し始めている。同社がFusionを設計したのは、クラウドサービスへの段階的移行を円滑にし、リスクを管理するためだ。
クラウドサービス移行におけるNasdaqの次のステップは、ユーザー企業拠点でAWSサービスを運用可能にするサービス「AWS Outposts」を導入することだ。AWS Outpostsを利用することで、ニュージャージー州カーテレットにあるNasdaqのデータセンターに、AWSと同等のシステムを持ち込む。NasdaqとAWSは、エンドユーザーの近くでAWSサービスを運用可能にするサービス「AWS Local Zones」を用いた、Nasdaq専用の超低遅延プライベートクラウドの開発も進める。
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