Nasdaqは「AWS」移行をどのように進めるのかNasdaqがAWSを採用する理由【前編】

株式市場のNasdaqがAWSと連携し、各市場のクラウドサービス移行を進めることを発表した。同社の狙いと、移行の中核要素となるAWSサービスを説明する。

2022年05月02日 05時00分 公開
[Madelaine MillarTechTarget]

関連キーワード

Amazon Web Services | CIO | 事例 | IaaS


 米国の新興企業向け株式市場を運営するNasdaqは、Amazon Web Service(AWS)が2021年12月に開催した年次イベント「AWS re:Invent 2021」で、AWSとの連携を発表した。米国のオプション取引所「Nasdaq MRX」を皮切りに、2022年から北米の各取引所の段階的なAWS移行を進める。

Nasdaqのクラウド移行を支えるAWSサービスは

 ピーターソン氏は「クラウドサービスであれば取引量に応じてインフラの拡大や縮小がしやすく、予想外の取引増にでもシステム停止の心配をしなくてよくなる」と話す。オンプレミスインフラと同等またはそれ以上のデータ処理速度やセキュリティが実現できることも、クラウドサービス移行を促す要因となった。

 Nasdaqはクラウドサービス移行に備え、Nasdaq MRXを含む各市場を「Fusion」というシステムに移し始めている。同社がFusionを設計したのは、クラウドサービスへの段階的移行を円滑にし、リスクを管理するためだ。

 クラウドサービス移行におけるNasdaqの次のステップは、ユーザー企業拠点でAWSサービスを運用可能にするサービス「AWS Outposts」を導入することだ。AWS Outpostsを利用することで、ニュージャージー州カーテレットにあるNasdaqのデータセンターに、AWSと同等のシステムを持ち込む。NasdaqとAWSは、エンドユーザーの近くでAWSサービスを運用可能にするサービス「AWS Local Zones」を用いた、Nasdaq専用の超低遅延プライベートクラウドの開発も進める。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news053.jpg

フォルクスワーゲンがGoogleとタッグ 生成AI「Gemini」搭載で、何ができる?
Volkswagen of AmericaはGoogleと提携し、Googleの生成AI機能を専用アプリ「myVW」に導入...

news175.jpg

JAROに寄せられた「広告への苦情」は50年分でどれくらい? 業種別、媒体別の傾向は?
設立50周年を迎えた日本広告審査機構(JARO)が、これまでに寄せられた苦情を取りまとめ...

news085.jpg

データサイエンティストの認知率は米国6割、インド8割 さて、日本は?
データサイエンティスト協会は、日本と米国、インド、ドイツの4カ国で、データサイエンテ...