チャレンジャーバンクのRedwood Bankは、自社のシステムにクラウドサービスを活用している。早くも黒字化を実現した同社の“急成長”戦略とは。
Redwood Bankは「クラウドから生まれた」と自称する、英国のチャレンジャーバンク(免許を取得して銀行サービスを提供する新興企業)だ。同社は2021年11月に、2017年の創業以降初めて、事業収入が支出を上回った。5000人の顧客を抱える同社は、英国の中小企業(SME)に4億ポンド以上を貸し付け、預金を4億ポンド以上集めている。
事業の競争優位性を向上させるために、チャレンジャーバンクは事業開始時に最新技術へ多大な初期投資をする。つまり利益が出るのには何年もかかるのが一般的だ。
Redwood Bankも例外ではない。同社は初期投資としてクラウドサービスにシステムを構築している。自行の事業のために、SaaS(Software as a Service)も利用する。このSaaSには、MicrosoftのパートナーであるDPR Consulting(finovaの名称で事業展開)から調達した勘定系システムが含まれる。
「英国の金融機関は銀行業務で利用できるシステムの選択肢が限られている」と、Redwood BankのCEO兼共同創設者のゲイリー・ウィルキンソン氏は語る。チャレンジャーバンクの登場によってこの状況が変化している。「チャレンジャーバンクは新しく構築したシステムによって、迅速に大規模なサービスを提供できる」(ウィルキンソン氏)
ウィルキンソン氏は「従来型の銀行の多くは、面倒な融資手続きやレガシーITシステムという障壁を抱えている」と話す。Redwood Bankは、英国のSMEが商業用不動産や居住用不動産に投資できるよう支援するための仕組みを確立しているという。
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