「コンテンツデリバリーネットワーク」(CDN)は、企業のWebサーバとインターネットを中継するサーバとして機能する。例えばエンドユーザーが企業のWebページのURLを入力すると、配信元のWebサーバではなく、キャッシュ(一時保存)の役割を持つCDNのサーバが該当Webページのデータを転送する。ただしエンドユーザーは通常、CDNの存在を意識しない。
CDNは、基本的にはCDNベンダーが用意するアクセスポイント(ネットワークの接続点)と、ISP(インターネットサービスプロバイダー)が運営するアクセスポイントを組み合わせて構成する。エンドユーザーへの応答時間を短縮するために、CDNは通常、インターネット回線ではなく専用のプライベート回線でサーバ同士を相互に接続する。
エンドユーザーに対して静的コンテンツ(常に内容が変わらないコンテンツ)を配信する際、CDNはデータを保管しているサーバからコンテンツを取得して配信する。
CDNは動画を配信する役割も持つ。動画配信にCDNを使えば、配信元のサーバとインターネット間のWANに負荷を掛けることなく大容量のコンテンツがエンドユーザーの端末に届く。CDNベンダーは概して、画質が異なる動画データをCDNのサーバに保存し、再生デバイスが選択する画質に配信データを一致させるようにしている。これによってネットワークの帯域幅(回線容量)をより効率的に使用できる。
企業がCDNを使う最大の目的はコンテンツの高速配信であるため、CDNにとって重要なのはネットワーク遅延の低減だ。そのためにCDNサーバは、地理的にできる限りエンドユーザーの近くになくてはならない。企業がCDNを検討する際、まず確認する必要があるのは「どこにCDNのアクセスポイントがあるか」だ。ほとんどのCDNベンダーは各大陸にアクセスポイントがあると主張しているが、具体的な場所や数はベンダーによって違いがある。CDNを検討する際は、ベンダーがどの地域でコンテンツ配信をしているのか、具体的に確認する必要がある。
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