「コンテンツデリバリーネットワーク」(CDN)が急成長している理由セキュリティなど周辺機能に脚光

優れたネットワークパフォーマンスと拡張性を追求する企業は、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)ベンダーに、これまでとは異なる支援を求め始めている。

2018年08月15日 05時00分 公開
[Jean DerGurahianTechTarget]
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 インターネットでのコンテンツ配信を最適化する「コンテンツデリバリーネットワーク」(CDN)市場が、幅広く進化している。企業がますます多くのビジネス基盤をクラウドに移す中、CDNに対するニーズが高まっているためだ。

 世界に散在するPoP(配信サーバの所在地:Point of Presence)にコンテンツをキャッシュするという、基本的なCDNを企業が頼りにするのは変わらない。CDNベンダーの間では、Webパフォーマンスを他の方法で強化する動きがある。セキュリティ対策や動的メディア配信などが、その例だ。

 こうした変化の中、新しい独創的なビジネスモデルを立ち上げるCDNベンダーもある。これらのビジネスモデルは、ターゲットの顧客層には魅力的だろう。

 CDNでは、世界中のPoPに配置された多数の分散サーバから、Webページや動画、Eコマースアプリケーション、ダウンロード対象のソフトウェアなどのコンテンツを配信する。エンドユーザーのなるべく近くに配置されたPoPからコンテンツを配信することで、遅延を最小限に抑え、トラフィックの負荷を和らげる。

 基本的なCDNの目的は、以前から変わらない。最近の動きは、クラウドサービスが頻繁に使われるようになり、モバイルデバイスの利用が広がったことで、コンテンツ配信の最適化を求めるアプリケーション開発者のニーズが高まっていることだ。

 こうした後押しを受けて「ネットワークのパフォーマンスと拡張性を強化するCDNに対する需要が伸びている」と、調査会社Gartnerのクラウドサービスベンダー部門でリサーチ担当バイスプレジデントを務めるテッド・チェンバレン氏は説明する。

 企業は自社のWebサイトをできるだけ活発化させる必要がある。そうした中で直面するさまざまな問題に目を向け、CDNベンダーに支援を求めているという。「ユーザー企業は『他に何かできることはあるか』と尋ねている」(チェンバレン氏)

 CDNベンダーはユーザー企業のニーズに応えるべく、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)や分散型サービス拒否(DDoS)攻撃からの保護、bot対策、動画ストリーミング、Eコマース最適化などの機能をクラウドサービスとして提供している。

急成長するCDN

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