「Facebook Pay」改め「Meta Pay」とは? Meta渾身の決済サービス「Meta Pay」強化が意味するMetaの戦略【前編】

メタバースユーザーに「Meta Pay」を浸透させたい考えのMeta Platforms。「Facebook Pay」から名称変更したMeta Payとは、そもそも何なのか。同社はMeta Payで何を実現しようとしているのか。

2022年07月26日 10時00分 公開
[Mike GleasonTechTarget]

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 2022年6月、Meta Platforms(旧Facebook)は決済サービス「Facebook Pay」の名称を「Meta Pay」に変更することを発表した。Meta Payの拡充を通じ、メタバース(巨大仮想空間)事業の収益化を目指す。

Facebook Pay改め「Meta Pay」は何に役立つのか

 エンドユーザーはインターネット通販や、「Facebook」「Messenger」「Instagram」「WhatsApp」といった同社傘下のサービスで、Meta Payを決済に利用できる。これらのサービスで決済をするときにMeta Payを利用すれば、エンドユーザーは毎回決済情報を入力しなくても買い物ができるようになる。

 MetaのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、Meta Payがメタバース内でも同様に機能し、デジタル商品やアート作品、オンラインイベントのチケット販売の拡大に一役買うことに期待を寄せる。「取引が簡単になるほど、クリエーターが自身の作品を取引できる機会は増す」。ザッカーバーグ氏はFacebookにそう書き込んだ。

 Meta Payは小売業者にとってのメタバースの魅力を増大させる可能性がある。支払いの手順が簡略化すれば、消費者は出費に踏み出しやすくなる。マーケティング研究者の非営利団体Marketing Science Instituteが2020年に公表した調査レポート(調査期間:2016年1月から2018年8月)によると、調査対象の通販サイトが1クリックで購入できる仕組みを導入した1年後には、導入前と比べて買い手の出費が17%増えていた。調査会社Statistaが2022年に実施した調査では、オンライン注文を取りやめた理由を消費者に聞いたところ、「精算の手順が複雑過ぎる」との回答があった。

 調査会社OnConvergenceのアナリストであるトム・ブラネン氏は、没入感が強いメタバースの性質上、「簡単に購入できる仕組みは必須だ」と話す。例えばエンドユーザーがヘッドマウントディスプレイ(HMD)を介してメタバースにいる場合、クレジットカード番号を入力するためにHMDを外すことは望まないからだ。

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