話題になったはずのITが一時的な流行で終わり、廃れることは珍しくない。それでも“はやりのIT”を注視することには意味がある。「ミーハーになれ」ということではない。これは「心構え」の問題だ。
ITを生かせるかどうかは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)がもたらした「ニューノーマル」(新しい生活様式)の世界において、企業の成長を大きく左右する。企業がITの導入効果を引き出すための5つの取り組みのうち、3つ目を紹介する。
メタバース(巨大仮想空間)の評価が高まるにつれ、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)をビジネス用途に活用する動きが拡大しつつある。このような技術は一時的な流行だと考える人もいる。だが「既存のWeb会議ツールよりも豊かでインタラクティブな体験を実現するために役立つ可能性もある」と、コンサルティング会社Deloitte Consultingのマネージングディレクター兼最高経営責任者(CEO)であるマイク・ベクテル氏は話す。
IT部門はメタバース関連製品のために、予算確保を一考する必要がある。今は一時的な流行に見えたとしても、全ての企業がワークフローに組み込む必要のある、新たな主力システムになる可能性もある。
「新しい製品の導入や次世代の技術の探求に、時間と予算をささげる必要がある」とベクテル氏は言う。これは「ITリーダーは一時的な流行を追いかけるべきだ」という意味ではない。ITリーダーは技術とともに自身の考えも進化させる心構えが必要だという話だ。「次に“来る”技術を把握し、現在活用している技術とバランスを取ることができるよう、ある程度の予算を確保しておくことが重要だ」(同氏)
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