自動化は人の仕事を奪うのではないか――。こうした不安は杞憂とは言い切れないものの、「人を生かす」ことを突き詰めると、むしろ自動化が合理的な手段であることが分かる。それはどういうことなのか。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)がもたらした「ニューノーマル」(新しい生活様式)の中で、企業がITの導入効果を引き出すには、何をすればよいのか。有効な5つの取り組みのうち、2つ目を紹介する。
時間のかかる作業の中には、人が手作業で対処するよりも、人工知能(AI)技術を活用した自動化ツールを使った方が効率良く進められるものがある。こうした背景から、自動化ツールの導入は拡大している。
「企業のIT部門は概して、作業時間がかかり、使用に注意を要するような古い運用管理システムを使っている」と、コンサルティング会社Deloitte Consultingのマネージングディレクター兼最高経営責任者(CEO)であるマイク・ベクテル氏は指摘する。問題は、これらのシステムの保守や管理を担当しているのが高給の熟練IT担当者であるにもかかわらず、実際の作業は機械的なものであるケースがあることだ。
ベクテル氏によると、こうした実情はパンデミック発生初期の2020年ごろに明らかになった。米国の企業はその頃、ロックダウン(都市封鎖)中も業務を継続するために、競い合うようにシステムの仮想化を進めていたという。ITリーダーは概して「システム運用管理業務の一部を自動化することが最善策だ」と認識していた。だが自動化ツールの導入に必要なマンパワーがそろっているとは限らなかった。現在では、業務自動化はもちろん、システム運用管理の自動化を達成するために時間をかけようという考えが拡大している。
システム運用管理の自動化によって、熟練IT担当者のリソースをより有効活用しようという考えも広まりつつある。「運用管理業務を自動化すれば、IT部門は人材リソースをもっと効果的に活用できる可能性がある」とベクテル氏は考える。同氏の見解では、これは従業員の経験を増やしたり、人材を定着させたりするのに役立つ。
「自動化は人材を引き寄せ、維持するための“餌”だ」とベクテル氏は言う。労働力がかつてないほど不足している世界において、自動化技術は「IT担当者の仕事を奪うのではなく、今まで以上に魅力的な業務に従事する人材を採用するのに役立つ」と同氏は考えている。
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