Microsoftが投資を活発化させているのが「メタバース」だ。ゲーム大手買収もメタバース事業強化の一環だが、Microsoftはメタバースをゲームのためだけの技術だとは捉えていない。同社の狙いとは。
Microsoftの2022年度第2四半期(2021年10〜12月)の売上高は、前年同期比20%増の517億ドルを計上した。インフラ関連の製品/サービスを中心としたセグメント「Intelligent Cloud」の売上高は、同26%増の183億ドルとなった。このうちクラウドサービス「Microsoft Azure」やサーバOS「Windows Server」を中心としたサブセグメント「Server products and cloud services」の売上高が29%増加。Azureを中心とした「Azure and other cloud services」に絞ると46%増となった。
2022年度第2四半期の決算説明会で、Microsoftのサティア・ナデラCEOが語ったのが「PC需要の構造変化」だ。同社はPCベンダーからの「Windows」ライセンス関連のサブセグメント「Windows OEM」の売上高が、前年同期比で25%増えたと報告した。同社のCFO(最高財務責任者)、エイミー・フッド氏は、これは「予想を大幅に上回る伸びだった」と語る。特に企業向けの需要拡大が、売上高の伸びをけん引したとフッド氏は説明する。
金融ブログ「Seeking Alpha」が掲載したMicrosoftの決算説明会の議事録によると、ナデラ氏が「インターネットの次の波だ」と捉えているのが、3次元(3D)仮想空間の「メタバース」だ。
「インターネットの最初の波により、誰もがWebサイトを作れるようになった」とナデラ氏は指摘。インターネットの次の波では「企業も、ゲーム開発者も、誰もが独自のメタバースを作ることができる、よりオープンな世界になると考えている」と説明する。同社は687億ドルでゲーム開発会社Activision Blizzardを買収する。同氏によると、Activision BlizzardはMicrosoftのメタバース戦略の一翼を担う。
「メタバースではまず、人、場所、物のデジタル化が進む。これは、企業がプロセスオートメーション(ビジネスプロセスの自動化)を次のレベルに引き上げるのに役立つ」とナデラ氏は説明する。MicrosoftはIoT(モノのインターネット)向けクラウドサービス群「Azure IoT」やプレビュー版のMR(複合現実)技術群「Microsoft Mesh」など、メタバースに関連する製品/サービスや技術を充実させ始めている。「当社はメタバースに多大な投資をしている」と同氏は語る。
コミュニケーション分野の中で、ナデラ氏が重視するのが「Mesh for Microsoft Teams」だ。Mesh for Microsoft Teamsは、ユニファイドコミュニケーション(UC)システムの「Microsoft Teams」で、Microsoft Meshを利用できるようにする。Mesh for Microsoft Teamsを使うことで、エンドユーザーはスマートフォンやPC、ヘッドマウントディスプレイで、Microsoft Meshによる立体的な仮想空間での会議に参加できる。
業務アプリケーション分野では、ナデラ氏は「Dynamics 365 Connected Spaces」にチャンスを見いだしている。プレビュー段階にあるDynamics 365 Connected Spacesは、店舗や工場、ビルなど、物理空間における物理的なビジネスプロセスの効率化を支援する。「当社は物理的なビジネスプロセスの自動化を目指している」と同氏は述べる。
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