スマートフォンは「リスクが低い」と見なされる傾向にある。表面化しにくいモバイルセキュリティの問題に、ユーザーはどう対処すればよいのか。
セキュリティベンダーLookoutは、2021年2月から2022年3月にかけてモバイルセキュリティに関する調査を実施した。同社は全世界の2億台を超えるモバイルデバイスと、約1億6000万件のモバイルアプリケーションから取得したテレメトリ(監視や分析を目的にした、利用状況に関するデータ)を分析した。
この調査によると、1台のモバイルデバイスが脅威に遭遇する比率が最も高い国は、オーストラリアだった。脅威の遭遇率は26.9%で、他国に比べて格段に高かった(注)。何が同国民のモバイルデバイスを危険にさらしているのか。
※注 Lookoutは同社のWebページ「Lookout App Threats Map」で調査の結果を公開している。
Lookoutでアジア太平洋および日本担当のシニアディレクターを務めるドン・タン氏によると、全国のオーストラリア人がホテルのチェックインや食事の注文にスマートフォンを利用している。こうしてスマートフォンの利用が日常生活に浸透する中で、「『スマートフォンは安全だ』という意識が同国民に広がった可能性がある」とタン氏は推測する。
スマートフォン狙いのサイバー犯罪は、一見するとリスクが低く見える場合があるとタン氏は指摘する。サイバー犯罪者に狙われていても、それが表面化しにくい状況もある。「オーストラリアの国民は、モバイルデバイスの脅威レベルでは同国が世界で最も高いことを知って、初めて脅威が現実味を帯びるはずだ」(同氏)
モバイルデバイスへの脅威が強まる中、オーストラリア人はモバイルアプリケーションのダウンロードに慎重になるべきだとタン氏は指摘する。そうしなければ脅威は広がり続け、クレジットカード情報のような個人情報がサイバー犯罪者の手に渡り続けることになる。
ユーザーが脅威から身を守るために、タン氏は以下を徹底することが重要だと指摘する。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「TikTok禁止」は結局、誰得? どうするトランプ氏――2025年のSNS大予測(TikTok編)
米国での存続を巡る議論が続く一方で、アプリ内ショッピングやAI機能の拡大など、TikTok...
ネットの口コミを参考に8割超が商品を購入 最も参考にした口コミの掲載先は?
ホットリンクは、口コミ投稿の経験や購買への影響を調査した結果を発表した。
「生成AIの普及でSEOはオワコン」説は本当か?
生成AIの普及によりSEOが「オワコン」化するという言説を頻繁に耳にするようになりました...