モバイルデバイスやSaaSを仕事で使うことが一般的になった今、エンドポイント環境に求められる要件も変化している。将来のエンドポイント環境はどうなるだろうか。
2000年ごろから現在までの変化の多くは、まだ記憶に新しい。SaaS(Software as a Service)をはじめとするWebアプリケーションが進化し、それまで主流だった「Windows」にインストールして利用するアプリケーションに代わる標準となった。モバイルデバイスは、メールが使える携帯電話から、PCの代わりに多様な作業をする機器へと変わり、新しいビジネスモデルを生み出した。接続性が向上し、更新サイクルが短くなり、現在に至っている。
新しく生まれた問題も多い。従業員の方がIT部門より先にWebアプリケーションやモバイルデバイスを使い始め、仕事にも持ち込んでくるようになった。かつてIT活用はIT部門の方が先だったが、今では正反対になった。
いわゆる「ITのコンシューマー化」は衝撃を与え、混沌(こんとん)とセキュリティリスクをもたらしたが、その一方で技術を大きく進歩させる要因にもなった。モバイルデバイスの普及によって、仕事用のデータと個人用のデータを同じデバイスで使用する状況が増えたことも、IT担当者の新しい悩みの種となった。幸い、モバイルデバイスやWebアプリケーションを管理する製品が登場し、エンタープライズモビリティー管理(EMM)やID管理などの技術が成熟してきている。
モバイルデバイスとWebアプリケーションは一般的に、旧型のマルウェアの影響を受けにくい利点がある。代わりにフィッシング詐欺やパスワードの盗難、強度の低いパスワードといった問題が、エンドポイント環境の大きな脅威になった。
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