トヨタ自動車のコネクテッドサービス「T-Connect」のソースコードが公開状態になり、ユーザーの個人情報が漏えいした可能性があることが発覚した。何があったのか。
トヨタ自動車とIT子会社のトヨタコネクティッドは2022年10月7日、自動車に通信機能を持たせたコネクテッドサービス「T-Connect」の契約者の個人情報約30万件が漏えいした可能性があると発表した。何が原因だったのか。
T-Connectは自動車をインターネットに接続し、ユーザーがスマートフォンを使って目的地検索やルート設定、駐車位置の確認、ドライブ診断ができるようにするサービスだ。
トヨタ自動車によると、2017年7月以降にT-Connectに登録したユーザーが、この情報漏えいの影響を受けた。漏えいした可能性がある個人情報はメールアドレスと、T-Connectの運用管理に使われる「お客様管理番号」だ。氏名、電話番号、クレジットカード番号といった情報は漏えいしていないと同社は説明する。
原因は何だったのか。トヨタ自動車は、T-ConnectのWebサイトの開発委託先企業が取り扱い規則に反し、ソースコードの一部を誤って公開設定のままソースコード共有サービス「GitHub」へアップロードしたと説明している。2017年12月から2022年9月15日まで、第三者がGitHubにあるソースコードの一部にアクセス可能な状態になっていたという。
トヨタ自動車によれば、公開されていたソースコードには、データベースサーバへのアクセスキーが含まれている。攻撃者がそれを利用すれば、データベースサーバに保管されているメールアドレスとお客様管理番号にアクセスできるということだ。
2022年9月15日にトヨタ自動車はソースコードを非公開化し、同月17日にはデータベースサーバのアクセスキーの変更も実施した。同社は2022年10月7日から、個人情報が漏えいした可能性のあるユーザーに「おわびとお知らせ」を送付。それによると、データベースサーバのアクセス履歴からは、同社は第三者によるメールアドレスとお客様管理番号へのアクセスを確認していないが、完全に否定することもできない。現時点で、この事件による個人情報の不正利用は確認していないという。
後編は、今回のセキュリティ事件に関する専門家の見解を紹介する。
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