英国ではデビットカードによる非接触型決済の普及が進んでいる。どの程度進んでいるのか。金融機関Lloyds Banking Groupや業界団体UK Financeの調査を基に、その実態を探る。
店頭でデビットカード決済をする際の手段として、英国消費者の87%がNFC(近距離無線通信)技術などの通信技術を用いた非接触型決済(専用端末にデビットカードをかざすだけで完了する決済)を選択する――。英国の金融機関Lloyds Banking Groupは、2022年9月に発表した調査結果で、こうした現状を示した。
Lloyds Banking Groupの調査結果によると、店頭でのデビットカード決済のうち、レストランでは93%、スーパーマーケットでは86%が非接触型決済だった。この調査結果は、2019年6月〜2022年6月の間に、金融機関Lloyds Bank、Halifax、Bank of Scotlandの顧客のうち、デビットカードの非接触型決済を利用した顧客の決済データに基づく。
非接触型決済の爆発的な普及は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響だとLloyds Banking Groupはみる。同社によると、パンデミック初期の2019年6月には、店頭でのデビットカード決済に占める非接触型決済の割合は65%だった。2020年6月時点で72%、2021年6月時点で83%と増加。2022年6月には87%になった。
「非接触型決済の利便性は、これほど長期的に成長している様子を見れば明らかだ」。Lloyds Bankで決済ディレクターを務めるギャビー・コリンズ氏はこう語る。
英国の金融業界団体UK Financeが2022年10月に公開した調査結果では、英国で2022年7月にデビットカードやクレジットカードなど各種決済用カードによる非接触型決済は15億件あり、2021年7月(12億件)から25.5%上回った。2022年7月の非接触型決済の総額は234億ポンドで、2021年7月(149億ポンド)と比べて57%増となった。
後編は、決済用カードによる非接触型決済が英国で広がる背景を深掘りする。
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
CMOはなぜ短命? なぜ軽視される? いま向き合うべき3つの厳しい現実
プロダクト分析ツールを提供するAmplitudeのCMOが、2025年のマーケティングリーダーに課...
トラフィック1300%増、生成AIがEコマースを変える
アドビは、2024年のホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを公開した。
「ドメインリスト貸し」は何がマズい? サイトの評判の不正使用について解説
「サイトの評判の不正使用」について理解し、正しい対策が取れるにしましょう。