ウクライナ侵攻とともに、同国のインフラを狙ったロシアのサイバー攻撃も活発化した。ウクライナ政府のサイバーセキュリティ責任者は、状況をどう見ているのか。
「電力網をはじめ、ウクライナのインフラに対するロシアのサイバー攻撃は、無秩序で場当たり的なものになっている」。そう語るのは、ウクライナ国家特殊通信・情報保護局(SSSCIP)副局長のビクトル・ゾラ氏だ。ゾラ氏はウクライナ政府のサイバーセキュリティ責任者として、ロシアからのサイバー攻撃への対処を率いている。ロシアのサイバー攻撃の変化をどう捉えているのか。
セキュリティおよび通信機器ベンダーBlackberryが2022年10月に開催したオンラインイベント「Blackberry Security Summit 2022」に、ゾラ氏は登壇。ウクライナのインフラを狙ったロシアのサイバー攻撃について「体系的なものではなくなった」と語り、「ウクライナは回復力を維持できている」と述べた。
ウクライナ侵攻を受け、2022年3月、4月にはロシアがサイバー攻撃を集中的に実施していたとゾラ氏は説明する。それ以降は攻撃活動の主体とみられるロシア軍は統制が取れず、サイバー攻撃のはっきりした戦略が見えない状況が続いているという。そのため最近のロシアのサイバー攻撃は「場当たり的なものになった」と同氏はみる。
セキュリティ専門家によると、ロシアのサイバー攻撃の大半は、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)や、他の軍事機関や情報機関が実行している。ゾラ氏は「ロシアの軍事力が弱まるとともに、サイバー攻撃も弱まっている」との見方を示す。
後編は、ウクライナを狙ったロシアのサイバー攻撃の歴史を見る。
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