ロシアによるウクライナ侵攻を受け、サイバー攻撃に変化が生じていると、セキュリティベンダーのRadwareは指摘する。同社が特に注視するのは「ハクティビスト」の動きだ。どのような存在なのか。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、一般的なサイバー攻撃に加えて「ハクティビスト」による攻撃が活発化している――。セキュリティベンダーのRadwareはこう指摘する。ハクティビストとは、
のことだ。Radwareによると、ハクティビストは組織の情報を盗んで流出させたり、Webサイトを改ざんしたりして「破壊と混乱を引き起こす」ことを目指している。
Radwareの脅威インテリジェンスディレクター、パスカル・ジーネンス氏によれば、ロシアのウクライナ侵攻に伴ってサイバー攻撃の目的が変わってきた。以前は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)を受けテレワークの従業員を狙った攻撃が盛んだった。ウクライナ侵攻を受けて「愛国心を持ったハクティビスト」による攻撃活動が活発になったとジーネンス氏は説明する。
ハクティビストによる攻撃は、ロシアのウクライナ侵攻を機に始まったわけではない。ハクティビストは、2022年5月のフィリピン大統領選挙の際にも野党政治家やメディアのWebサイト改ざんといった攻撃を実施した。マレーシアのハクティビストグループ「DragonForce Malaysia」は、2022年4月にイスラエルとつながりのある標的、2022年6月にはインドの標的を攻撃した。それぞれの攻撃の背景には政治関係の動機があるとみられる。
ジーネンス氏によると、各国の情報機関はハクティビストの動きを十分に予測できているわけではない。場合によっては、情報機関が攻撃者ではない人を誤って攻撃者だと見なすといった誤った判断をすることがあるという。こうした状況が「さらなる混乱を招く」と同氏は述べる。
後編はRadwareの調査結果を基に、企業が知っておくべきサイバー攻撃のトレンドを探る。
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