ストレージの暗号化技術「SED」は、データ流出を防ぐための重要な対策になる。なぜデータのセキュリティを再考すべきなのかを踏まえて、企業になぜSEDが必要なのか、どのような製品を利用できるのかを紹介する。
HDDやSSDなどストレージに保存されたデータを守る技術として、「自己暗号化ドライブ」(SED:Self-Encrypting Drive)がある。企業が利用しているデータセンターのセキュリティが万全であっても、データが危険にさらされるリスクは皆無ではない。データが危険になるシーンを踏まえて、企業にとってなぜSEDが安全だと言えるのかを解説しよう。
自社のシステムを外部のデータセンターで稼働させている企業は、「データセンター運営事業者がデータのセキュリティを確保してくれている」と考えがちだ。それは間違いではないが、注意が必要なケースがある。ストレージの故障が発生したり、定期交換のタイミングが来たりしたとき、ストレージの盗難や紛失が発生する可能性がある。データセンター運営事業者に、セキュリティの全てを任せるのは危険だ。
企業が廃棄したストレージは、中古品として他の企業で使われるリスクがある。その際、SEDによる暗号化はデータ流出を防ぐために有効な手段になる。特に顧客の個人情報を扱う金融機関や、患者情報を扱う医療機関はストレージの管理に細心の注意を払う必要がある。
企業はストレージの損傷や故障に備えて、データ復旧サービスを利用していることがある。データ復旧サービスを利用しても、元のデータがSEDによって暗号化されていれば、復旧したデータも暗号化される。そのため、データ復旧サービスの事業者にデータが流出する恐れはない。
SEDはPCを中心とした小規模システムにおいてもセキュリティの向上につながる。特にPCのような小型のIT機器は盗難や紛失の事態に陥りやすいため、暗号化によるデータ保護が重要だ。
以下に、暗号化機能を備えたSSD製品の一例を挙げておこう。
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