機密情報を守る「SED」とは【前編】
絶対に安全なHDDやSDDはある? “自己暗号化”はどれだけすごいのか
企業のさまざまなデータを保存するストレージには、強固なセキュリティが求められる。「SED」はどれだけ安全なストレージだと言えるのか。その仕組みを解説しよう。
企業のHDDやSSDといったストレージには、さまざまな機密情報が保存されている。それが犯罪者の手に渡ってしまった場合、その損失は計り知れない。そのため企業には、物理的な面も含めて、ストレージの強固なセキュリティ対策が求められる。
ストレージが盗まれた場合でもデータを守れる技術として、「自己暗号化ドライブ」(SED:Self-Encrypting Drive)がある。SEDは絶対に安全だと言えるのだろうか。SEDとはどのような仕組みなのかを解説する。
SEDは絶対安全なストレージか? その仕組みとは
SEDでは、共通鍵暗号アルゴリズム「AES」(Advanced Encryption Standard)によってデータが暗号化される。ほとんどの場合、128bitの暗号鍵を用いる方式「AES-128」か、256bitの暗号鍵を用いる方式「AES-256」のいずれかが用いられる。両方とも厳格なセキュリティ基準を満たしているため、ユーザー企業はどちらが用いられているかを深く考える必要はない。
工場出荷時に、SEDはドライブ内データ暗号鍵(DEK:Data Encryption Key)を備えた状態になる。これによってドライブに書き込まれるデータを暗号化する。ユーザー企業はDEKとは別に用意される暗号鍵(AEK:Authentication Encryption Key)を使ってデータを復号できる。AEKなしでデータを復号することはほぼ不可能だと考えられる。
ユーザー企業はSEDのAEKを徹底的に管理しておくことで、ストレージからデータが流出する恐れをほぼなくすことができる。ストレージを盗難や紛失のリスクにさらしてはいけない。セキュリティの最後の手段としては、特別な命令でDEKを無効にすることができる。ただし、その場合は自社がデータを復号することも不可能になる点に注意しよう。
機密情報を守るにはSEDに加え、標準化団体Trusted Computing Group(TCG)による暗号化プロトコルを利用することも有効だと考えられる。
後編は、SEDを利用することがなぜ重要なのかについて、リスクを踏まえて解説する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
2
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
kintoneで実践 製造業のための「見積もり管理」改善のヒント
-
6
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
7
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
8
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
9
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
10
DXを阻む「動くだけ」のレガシーシステムに決別するための生成AI活用術
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー