ワシントンD.C.にあるハワード大学は、キャンパスに「市民ブロードバンド無線サービス」(CBRS)を利用した「プライベート5G」を導入。その具体的な中身とは。
米国ワシントンD.C.にあるハワード大学(Howard University)は、同校のキャンパスに「5G」(第5世代移動通信システム)のプライベートネットワークである「プライベート5G」を導入した。このプライベート5Gは、米国政府が3.5GHzの周波数帯を民間に開放する「市民ブロードバンド無線サービス」(CBRS:Citizens Broadband Radio Services)を利用している。
プライベート5Gの導入に当たり、ハワード大学は大手システムインテグレーターAmdocsと電子機器ベンダーSamsung Electronics(以下Samsung)の協力を得た。ネットワークはSamsungが提供する「無線アクセスネットワーク」(RAN)の技術を利用している。これには5Gと4G(第4世代移動通信システム)を同時に利用できる、「4T4R」(送受信に4本のアンテナを利用)型の小型の無線装置が含まれる。この無線装置は、CBRSの活用促進に取り組む業界団体OnGo Allianceによる認定を受けており、他の認定製品との相互運用性がある。
「AmdocsとSamsungが提供するネットワークによって、CBRSと無線LANの信頼できる接続をユーザーに提供できるようになった」と、ハワード大学でシニアネットワークアンドインフラストラクチャマネジャーを務めるジャマール・キュー氏は話す。同校は計画通りにプライベート5Gを導入することができ、学生はネットワークを幅広い用途で利用している。同校はAmdocsとSamsungとの関係を継続し、ネットワークのさらなる強化を検討する。
Amdocsはハワード大学のプライベート5G導入に当たり、RANや通信回線、セキュリティなどのインフラを設計した。ネットワークの運用保守サービスも提供する。
Samsungで新規事業とネットワーク事業担当のバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるイムラン・アクバル氏は、今後に向けて次のように話す。「Amdocsと協力し、汎用(はんよう)性の高い技術であるCBRSを活用して、教育機関における無線ブロードバンドの導入を目指す」
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