ワシントンD.C.にあるハワード大学は、キャンパスに「市民ブロードバンド無線サービス」(CBRS)を利用する「プライベート5G」を導入した。何が変わったのか。
ハワード大学(Howard University)は1867年創立の私立大学だ。歴史あるキャンパスは、ワシントンD.C.北西部の丘の上にあり、米国議会議事堂から2マイルの場所に位置する。同校の学生は140以上の分野で研究を進め、学士や大学院の学位取得を目指す。同校のアフリカ系アメリカ人の博士号取得者数は、米国内の大学でトップクラスを誇る。
米国では、政府が3.5GHzの周波数帯を「市民ブロードバンド無線サービス」(CBRS)として民間に開放している。ハワード大学はこの周波数帯を使い、大学のキャンパスに「5G」(第5世代移動通信システム)のプライベートネットワークである「プライベート5G」を導入した。
「利用したいときに場所を問わずに利用できる、ユビキタスな接続の要求が学生たちの間で増えている」とハワード大学は説明する。同校は、デジタル教材の利用推進だけでなく、セキュリティと信頼性を確保できるネットワークを、キャンパス全体に導入することが必要だと考えている。
ハワード大学はこれを実現するため、システムインテグレーターAmdocsと電子機器ベンダーSamsung Electronics(以下、Samsung)に、CBRSを利用するプライベートネットワークの導入を依頼した。
CBRSの3.5GHz帯は、電波が安定して広範囲に届く特性があるため、組織がプライベート5Gを導入する際の候補になりやすい。例えばネットワークサービスが行き届かない地域の消費者や企業へ無線ブロードバンドを提供するために、CBRSを利用する例がある。
ハワード大学はCBRSを利用したプライベート5Gを導入することで、以下を実現した。
同校のキャンパスを利用する6000人以上の学生や教員、地域住民がこのネットワークを利用している。
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