大学が「屋外無線LAN」ではなく「プライベート5G」を選んだ納得の理由CSU Stanislausは「プライベート5G」をどう活用したか【前編】

キャンパスの屋外におけるネットワーク利用ニーズに応えるため、CSU Stanislausは屋外に無線LANアクセスポイントを設置するのではなく、「プライベートLTE」および「プライベート5G」を構築した。その理由とは。

2022年03月07日 05時00分 公開
[Andrew FroehlichTechTarget]

関連キーワード

Wi-Fi | ネットワーク


 California State University, Stanislaus(CSU Stanislaus:カリフォルニア州立大学スタニスロース校)は、「LTE」(Long Term Evolution)および「5G」(第5世代移動通信システム)のプライベートネットワークである「プライベートLTE」「プライベート5G」をキャンパス全体に整備した。CSU Stanislausの事例は、組織が5G導入を考える際の一助となる可能性がある。

 プライベートLTEおよびプライベート5Gでは、通信事業者が提供するLTEおよび5Gのパブリックネットワークを、組織が部分的に専有して利用する。CSU Stanislausは、プライベートLTE/5Gを実現するために「CBRS」(市民ブロードバンド無線サービス:Citizens Broadband Radio Services)を利用した。CBRSは、組織のプライベートネットワークへの活用を目的に、米国政府が民間に開放した3.5GHzの周波数帯だ。

 CSU StanislausのIT管理者は、キャンパスの屋外で無線ネットワークを利用したいという教職員や学生のニーズを満たすために、新たなネットワーク構築手段を模索していた。CBRSを活用したプライベートLTE/5Gの可能性に、同校のIT管理者は期待を抱いた。

だから「屋外無線LAN」を選ばなかった

 CSU Stanislausで最高情報責任者(CIO)代理を務めるジェフ・チルロ氏は、キャンパスにおける教育に関する課題を解決するための、適切な無線ネットワークアーキテクチャの策定を任された。チルロ氏によると、当時CSU Stanislausは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響で、教職員や学生がさまざまな屋外スペースから学内システムやインターネットにアクセスできるようにする必要があった。

 米国カリフォルニア州のターロックにあるCSU Stanislausのキャンパスの敷地面積は、約92万平方メートルに及ぶ。無線LANアクセスポイント(AP)を追加して新しいファイバー光ケーブルを地下に敷設する方法だと費用が高く、無線LANの構築に時間がかかるという課題があった。教職員や学生が、キャンパスのどの場所をオンライン教育の場所として選ぶかが分からず、APの適切な配置方法を事前に検討することも難しかった。そのためチルロ氏が率いるIT部門は、こうした課題に対処可能なプライベート5Gの導入に魅力を感じていた。

 CSU StanislausのIT管理者は、ネットワークベンダーのCelonaに、企業向けのプライベートLTE/5G構築支援製品について問い合わせた。CSU StanislausのIT管理者と話したCelonaの担当者は、キャンパス内にある建物の屋上に幾つかのLTE(Long Term Evolution)の基地局を設置すれば、キャンパス全体で無線ネットワークを利用できるようになると判断した。

 基地局を設置した後、CSU StanislausのIT管理者は、キャンパス内にLTEから無線LANへのゲートウェイを設置して両者を接続した。ゲートウェイを設置することで、ファイバー光ケーブルを地下に敷設して運用する必要がなくなった。キャンパス全体をカバーするバックホール(通信網を中継するネットワーク)としてプライベートLTE/5Gを使用することで、同校のIT管理者は、「eduroam」のネットワークをキャンパス敷地内のどこへでも容易に拡張できるようになった。 eduroamは、教育機関や研究機関の間でキャンパスの無線LANを相互利用できるようにするローミングサービスだ。


 後編は、プライベートLTE/5Gを導入した結果、CSU Stanislausが得たメリットと今後の展望を紹介する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 LRM株式会社

従業員のセキュリティ教育を効果的に行い、サイバー攻撃から自社を守るには

サイバー攻撃の脅威から自社を守るには、従業員のセキュリティ教育を効率的・効果的に行い、一人一人の意識を向上させることが重要だ。その実践を“自動化”でサポートするサービスを取り上げ、機能や特徴を紹介する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「ITエンジニア」になりたがらない女子生徒の本音

技術系キャリアを検討する女子生徒は増加傾向にあるものの、全体的に見た割合は十分ではない。IT分野が女子生徒から敬遠されてしまう理由とは。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

オンライン教育中の成績評価は「データ分析」が鍵 その中身とは

オンライン教育の導入により、教育機関はさまざまな場所に存在する学習者の主体的な学習を促し、評価する必要に迫られた。その有力な手段となり得るデータ分析の取り組みを事例と共に紹介する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

教育機関が進めるデータ分析の実態 そのメリットと課題とは?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を契機にオンライン教育が普及した。これに伴い、教育活動で収集するデータの分析や活用に教育機関が頭を悩ませている実態が浮き彫りになった。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

大学の「IT製品導入」成功のこつ 学生も教職員も満足させるには?

学生や教職員など多様な立場の人が関わる大学で、誰もが満足するIT製品・サービスを導入するのは至難の業だ。テネシー大学の事例から5つのこつを紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/05/10 UPDATE

  1. 窶懆€�∴縺ェ縺励�IT蟆主�窶昴�謨呵ご繧帝ァ�岼縺ォ縺吶k�溘€€繧ケ繧ヲ繧ァ繝シ繝�Φ縺ョ閾ェ豐サ菴薙′讀懆ィシ
  2. 菴占ウ€逵梧蕗閧イ繧キ繧ケ繝�Β縲郡EI-Net縲阪r諠��ア貍上∴縺��闊槫床縺ォ螟峨∴縺溪€懃悄迥ッ莠コ窶昴→縺ッ��
  3. 繝ュ繧、繝ュ繝弱�繝医�DNA繧堤カ吶$窶懃函蠕堤岼邱壺€昴�謗域・ュ謾ッ謠エ繧「繝励Μ縲後Ο繧、繝ュ繝弱�繝医�繧ケ繧ッ繝シ繝ォ縲�
  4. 繧ォ繝ェ繧ソ繧ケ蟆丞ュヲ譬。縲∫函蠕偵�逋サ荳区�。繧帝□髫斐〒隕句ョ医kGPS騾」謳コ繧「繝励Μ繧貞ー主�
  5. 縲薫ffice 365縺ョ辟。譁吶Λ繧、繧サ繝ウ繧ケ邨ゆコ�€阪↓謨呵ご迴セ蝣エ縺悟峅諠代€€荵励j蛻�k遲悶���
  6. 繝励Ο繧ー繝ゥ繝溘Φ繧ー謨呎攝繧貞ー丞ュヲ逕溘�縺ゥ縺�スソ縺」縺ヲ縺�k縺ョ縺具シ溘€€蟄ヲ闃ク螟ァ莉伜ア槫ー城≡莠募ー上↓閨槭¥
  7. 蜍慕判�壹€梧ュ蝣ア繝「繝ゥ繝ォ謨呵ご縲阪�窶懊∋縺九i縺夐寔窶昴�謚シ縺嶺サ倥¢縺ァ縺ッ縺ェ縺�
  8. 縲祁Mware繝ゥ繧、繧サ繝ウ繧ケ雋サ逕ィ縺ョ蠅怜刈縲阪↓謔イ魑エ縲€窶懆イキ蜿弱�菴呎ウ「窶昴′謨呵ご迴セ蝣エ縺ォ繧�
  9. 縲瑚セイ譚鷹Κ繝悶Ο繝シ繝峨ヰ繝ウ繝牙喧縲阪∈縺ョ蟾ィ鬘肴兜雉�↓髫�繧後◆闍ア蝗ス縺ョ窶�2縺、縺ョ諤晄ヱ窶�
  10. 蟆丞ュヲ譬。縺悟峅繧九€後�繝ュ繧ー繝ゥ繝溘Φ繧ー謨呎攝縲�3螟ァ隱イ鬘後→縺ッ�溘€€蟄ヲ闃ク螟ァ莉伜ア槫ー城≡莠募ー上↓閨槭¥

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。