英国の若手サッカー選手向けセキュリティ学習プログラム「Cyber Stars」の第1期生は2022年7月、修了式を迎えた。彼らは今後、どのように活躍するのか。受講生2人に、抱負を聞いた。
英国では、若手の元プロサッカー選手をサイバーセキュリティの専門家に育て、セキュリティ人材不足の解消を目指す取り組みが進んでいる。スポーツコンサルティングを手掛けるPhoenix Sport & Media Groupは、セキュリティ学習プログラム「Cyber Stars」を立ち上げた。これに協力するのはIT教育事業のHack The Boxや、GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)管理ソフトウェアを開発するSureCloudだ。2022年7月にプログラムを終了した第1期生は、Cyber Starsから何を得たのか。
Hack The Box創業者兼CEO(最高経営責任者)のハリス・ピラリノス氏は、セキュリティの理論から実践まで学べるトレーニングを提供することで、より安全なサイバー世界を構築するための一翼を担いたい考えだ。「常に前進を目指すサッカー選手のアスリート精神を、セキュリティ分野でのキャリア形成に生かしたい」とピラリノス氏は言う。
SureCloudバイスプレジデントのベン・ジェプソン氏によれば、英国ではセキュリティ人材の不足が深刻化している。新たな人材確保には、若者にセキュリティの魅力を伝えることが欠かせない。「セキュリティの仕事はエキサイティングで、社会貢献という意味でもやりがいがある。そうしたことを若い人たちに感じてもらいたい」とジェプソン氏は述べる。
Cyber Stars第1期生の中には、Liverpool Football Club(リバプールFC)の若手選手だったジョシュ・サムナー氏や、Norwich City Football Club(ノリッジシティーFC)の23歳以下チームのキャプテンを務めたシアレン・ジョーンズ氏がいる。サムナー氏は、「7年間在籍したリバプールFCを19歳の時に去らなければならず、打ちのめされた。Cyber Starsのおかげで新しいキャリアパスが開けて感謝している」と語る。
ジョーンズ氏はSureCloudにコンサルタントとして入社することが決まっている。「Cyber Starsのプログラムを通じてセキュリティのことをこれほど面白いと感じるようになるとは思わなかった」と同氏は述べる。Cyber Starsではサイバー攻撃の仕組みを学んだ。その知識をセキュリティコンサルティングに生かしたいと同氏は意気込む。
Cyber Starsを立ち上げたPhoenix Sport & Media Groupのカーリー・バーンズCEO(最高経営責任者)は今後、同様の取り組みを陸上競技やクリケット、ラグビーにも広げる方針だ。女性選手向けや男女パラリンピック選手向けに特化したコースの提供も視野に入れているという。
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