無線LAN分野では、「Wi-Fi 6E」や「Wi-Fi 7」への置き換えが進むことで何が起きるのか。単純に通信規格が新しくなるだけではない、3つの注目点とは。
無線LAN規格「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)の拡張版、「Wi-Fi 6E」の採用が広がりつつある。その先には「Wi-Fi 7」(IEEE 802.11be)の本格的な普及期を控え、また新しい時代に突入しようとしている。これから無線LAN分野では、どのような興味深い動きがあるのか。調査会社ABI Researchは、「無線LANに革命をもたらす」という3つの動向に注目している。
無線LANに関するABI Researchのレポート「Enterprise Wi-Fi and the Path to IT/OT & 5G/Wi-Fi Private Network Convergence」によれば、Wi-Fi 6Eの無線LANアクセスポイントの出荷台数は、2022年の150万台から2024年には520万台まで増加する。こうしてWi-Fi 6Eの採用が広がりつつある中で、ABI Researchは無線LAN市場に3つの重要な変化があると指摘する。
Wi-Fi 6Eは6GHz帯の周波数を利用できる。これはWi-Fi 6やそれ以前の無線LAN規格との大きな違いだ。Wi-Fi 6の次世代の規格であるWi-Fi 7も、6Hz帯を利用できる見通しとなっている。Wi-Fi 7に準拠した製品が本格的に登場する2024年ごろには、6Hz帯向けとして出荷される大部分の製品がWi-Fi 6EからWi-Fi 7に置き換わるとABI Researchはみる。ただし6GHz帯を利用する無線LAN規格が今後の主流になることは、「市場革命の一面にすぎない」と同社は指摘する。
ABI Researchが周波数帯の拡張に加えて重要だと指摘する動きは、「IT」(情報技術)と「OT」(制御技術)の融合だ。同社によればITとOTの融合を追求する手法が具体化しつつある。「それが無線LANのさらなるイノベーション(技術刷新)を促すことになる」。ABI Researchのアナリスト、アンドリュー・スパイビー氏はそう語る。
「5G」(第5世代移動通信システム)をプライベートネットワークとして利用する「プライベート5G」は、無線LANと切り離せない存在になりつつある。ABI Researchによれば、無線LANと移動通信が同じプライベートネットワークに共存することは技術的に可能だ。「将来のプライベートネットワーク市場をリードする製品・サービスは、無線LANと移動通信を相互運用可能な形で提供するものになる」とスパイビー氏は話す。
ABI Researchによれば、無線LANと5Gを両方とも使用するプライベートネットワークの利点は、
などにある。
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