通常、従業員宅の無線LANをIT管理者は監視できない。在宅勤務が当たり前になる中ではこれが課題になる。遠隔で従業員の無線LANを改善するにはどうすればいいのか。
自宅の無線LANをどう整備すればいいのか――。在宅勤務が当たり前の働き方として定着する中で、これはIT管理者の悩みとして残ったままだ。
IT管理者は、従業員の自宅のネットワークを簡単には監視できない。「syslog」などのログ管理ツールを使っても、従業員の自宅内までは把握できないことが一般的だ。だからといって従業員の自宅の無線LANを放置してはいけない。従業員が勝手に設置した、IT管理者には状況が見えにくい無線LANの改善方法を紹介する。
従業員は会社にいるときと同じように、自宅でも無線LANを快適に使うことを求めている。IT管理者がこれを支援するには、次の基本事項を押さえることが重要だ。
最新かつ機能豊富な無線LAN機器を設置しても、利用するインターネット回線の帯域幅(回線容量)が小さければ意味がない。必要とする帯域幅は、その従業員の職務によって異なる。例えば自宅で動画を編集し、その動画を頻繁に会社のサーバにアップロードする従業員の場合、帯域幅の小さいインターネット回線を使えば生産性に支障が出る。
会社であっても自宅であっても、古い機器は通信速度の低下や、不安定な接続の要因になる。従業員は自宅で使う機器の交換時期に無頓着なこともある。そのためIT管理者は、臆測せずに従業員の自宅の無線LANの状況をきちんと把握するように努めた方がいい。特に使用している機器の世代や、使用年数を尋ねるようにしよう。
例えば下記のような機器は、通信速度低下につながる可能性がある。
自身がどのような機器を使用しているのかについて、従業員自身がよく分かっていないこともある。その場合、IT管理者は従業員から機器のモデル番号の写真を送ってもらい、インターネットで機器の情報を調べる必要がある。同時に、PCが搭載する無線LANアダプターやBIOS、CPUなどを交換する必要があるかどうかも確認するとよい。
無線LANルーターの設置場所によっては、従業員が仕事をする部屋に十分に電波が届かず、それが通信速度を落とす要因になることがある。そのため電波強度を確認することは重要だ。
在宅勤務者の自宅には、普通は無線LANの電波強度を測定するための専用ツールはない。専用のアプリケーションを従業員にダウンロードしてもらえば、PC画面に表示されるアンテナマークを見るよりも詳細に調べることができる。こうした電波強度を調べるための何らかの方法を従業員に案内しよう。
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