教育用デジタルコンテンツである「デジタル教科書」「デジタル教材」は、児童生徒の関心を引きやすく、教育現場での活用が期待されている。主要な利用者別に分けた場合の長所と短所、選び方のポイントとは何か。
第5回「教育IT推進に不可欠な『デジタル教科書』『デジタル教材』『学習用ツール』とは」では、教育分野におけるデジタルコンテンツ「デジタル教科書」「デジタル教材」およびソフトウェア「学習用ツール」の定義と、その役割を解説した。第6回では、そのうちデジタル教科書とデジタル教材をそれぞれタイプ別に分類し、それらのメリットとデメリット、選び方を説明する。
デジタル教科書は、想定利用者の違いによって「指導者用」と「学習者用」に分類できる。指導者用デジタル教科書は主に教員が利用し、学習者用デジタル教科書は児童生徒が利用する。デジタル教科書の導入によって、動画やアニメーションなどを活用することで、児童生徒の関心を引きやすくなる。教科書への積極的な書き込みで、児童生徒の考え方を可視化することも容易になる。
指導者用と学習者用のデジタル教科書のメリット、デメリットは以下の通りだ。
タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
指導者用 | ・書画カメラがなくても、大型提示装置と指導者用コンピュータだけで、教科書の内容を簡単に拡大提示できる | ・多くの内容は紙の教科書に記載されており、書画カメラがあれば紙の教科書で代用できる |
学習者用 | ・児童生徒一人での学びを促進できる ・教科書の内容に関連した動画や資料などの付随コンテンツを閲覧しやすい |
・個別学習で利用する際は、人数分のライセンス購入と学習者用コンピュータが必要になる |
学習者用デジタル教科書を使いこなすには、教員と児童生徒両方のIT環境への慣れだけではなく、ハードウェアの整備も必要となる。一方で指導者用デジタル教科書は指導者用ハードウェアがあればよいため、IT環境整備が行き届いていない環境でも活用可能だ。価格面でも、一般的には学習者用デジタル教科書よりも指導者用デジタル教科書の整備費用の方が安価なため、まずは指導者用デジタル教科書を整備した方がよい。IT環境を先行して整備した自治体において活用率が高いのは、たいてい指導者用デジタル教科書だ。
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