英国インペリアルカレッジロンドンがLenovoおよびIntelと手を組み、HPC分野での共同研究を開始した。同校が新しいスーパーコンピュータに求めた、計算処理能力以外の要素とは。
英国のインペリアルカレッジロンドン(Imperial College London)は、LenovoおよびIntelとの共同研究に乗り出した。同校の研究者が使用するハイパフォーマンスコンピューティング(HPC:高性能計算)をより持続可能にする他、HPCや人工知能(AI)技術の専門人材の育成に取り組むことなどが目的だ。2社との共同研究に当たり、同校の「Research Computing Service」(RCS、注1)は、Lenovoの液体冷却技術「Lenovo Neptune」を採用した。その理由とは。
※注1:インペリアルカレッジロンドンの研究者によるHPCリソースの利用を支援する組織。
この件に関して、3者は共同研究に関する以下の共同声明を発表した。
インペリアルカレッジロンドン、Lenovo、Intelは、持続可能性に対する揺るぎないコミットメントと、革新的な熱意を共有しています。RCSのスーパーコンピュータは、電力と二酸化炭素排出量を抑えて稼働し、研究者がHPCを活用できるようにします。これによって、より広い社会に利益をもたらす、持続可能なシステムを作り出すとともに、人類に長期的な好影響を与えるでしょう
インペリアルカレッジロンドンの研究および企業担当副学長兼教授のメアリー・ライアン氏は、このコラボレーションによって、学術研究コミュニティーにおける同大学の地位が向上すると考える。ライアン氏が今回の取り組みによって期待する効果は以下の通りだ。
LenovoのHPCおよびAI担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー、スコット・ティーズ氏によると、インペリアルカレッジロンドンはHPCの増強を検討し始めた当初、競合する2つの要件を重視した。
1つ目は計算処理能力だ。複数分野の研究者それぞれが求める回答を得るまでの時間を短縮するために、各研究者に十分な計算能力を提供する必要がある。2つ目は持続可能性だ。インペリアルカレッジロンドンは、保有するシステムが環境に与える影響を低減しなければならない。そこで同大学はLenovo Neptuneに加えて、より少ない電力によるデータ転送を可能とするためにIntelの広帯域メモリを採用した。「これにより研究者に驚異的な計算能力を提供しながら、消費電力を抑制できるようになった」とティーズ氏は強調する。
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