英国のインペリアルカレッジロンドンがHPC分野でLenovoとIntelと共同研究を開始した。3者が組んだ狙いと、共同研究がもたらす効果とは。
英国のインペリアルカレッジロンドン(Imperial College London)は、LenovoとIntelとの共同研究に乗り出した。これによって同校は、英国内において比較的規模の大きい、「Tier 3」(注1)のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC:高性能計算)施設の一つになる。
※注1:英国におけるTier3 HPC施設は、高等教育機関の研究チームが自由に使用できるスーパーコンピュータを保有する施設。
このプロジェクトの目的は次の通りだ。
IntelのEMEA(欧州、中東、アフリカ)担当HPCテクニカルディレクターであるアダム・ロー氏は、次世代のHPCおよびAI技術者の育成は、教育機関だけではなく、IT業界の責任でもあると考える。
今回のプロジェクトの一貫としてIntelは、英国の研究推進機関UK Research and Innovation(UKRI)が提供するプログラム「Industrial Cooperative Awards in Science & Technology」(ICASE)(注2)を通じて、博士課程の学生を援助する。具体的には、同社の開発者向けクラウドサービス「Intel Developer Cloud」「Intel Software Development Platform」へのリモートアクセス機能を提供することで、インペリアルカレッジロンドンのHPCシステムの開発を支援するという。
※注2:企業や関連組織が、博士課程の学生に資金を提供するプログラム。
インペリアルカレッジロンドンとLenovo、Intelがコラボレーションすることで、同校の「Research Computing Service」(RCS)は、工学や自然科学、医学、ビジネスといった全学部向けの並列計算能力を確保した。RCSは、同校の研究者によるHPCリソースの利用を支援する組織だ。これにより同校の研究者は、自身の研究を加速させることが可能になる。具体的には以下を提供する計画だ。
次回は、インペリアルカレッジロンドンがLenovoの液体冷却技術「Lenovo Neptune」を採用した理由を紹介する。
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