「iTeachersカンファレンス 2017」レポート【第2回】
タブレットの可能性を引き出す“一押しアプリ”とは? 教育ITの先駆者が披露(1/2 ページ)
タブレットを効果的に生かすには、利用するアプリケーションの選定が大きな鍵となる。タブレット活用に先駆的に挑む教育者チーム「iTeachers」の注目アプリケーションを知ることは、選定の参考になるはずだ。
教育機関が活用するIT製品の代表例ともいえるのがタブレットだ。タブレットはカメラやマイクといった多様な機能を備えており、標準機能でも教育活動に大いに活用できる。より豊富な学びを実現するには、タブレットでどのようなアプリケーションを活用するかが重要になる。とはいえ膨大なアプリケーションの中から、日々の授業や講義での利用に適したものを選定するのは骨が折れる。
第1回「『Pepper』活用から『海外MOOC』翻訳まで――教育IT先進校は今、何をしているのか?」に続く本稿では、IT活用教育を推進する教育者チーム「iTeachers」のメンバーが教育活動に活用している、お薦めのタブレット向けアプリケーションを紹介する。併せてアプリケーションと同様に、教育現場での活用が進む動画教材の課題と、その解決に向けた実践例を紹介する。
iTeachersのメンバーは、教育活動に生かせるアプリケーションを積極的に発掘し、教育活動に活用してきた。彼らが注目するアプリケーションを知ることは、他の教育機関にとっても参考になるはずだ。本稿で紹介しているアプリケーションは特に説明がない限り、iOSやAndroid向けにネイティブアプリケーション(インストールして利用するアプリケーション)を用意している。本稿も第1回に引き続き、iTeachersが主催した教育ITイベント「iTeachersカンファレンス 2017」のプレゼンテーションの内容を基にした。
iTeachersカンファレンス 2017で紹介された主要アプリケーション一覧表のダウンロード
iTeachersカンファレンス 2017でiTeachersメンバーが紹介した、主要アプリケーションをまとめた一覧表をPDFファイルで提供しています。「iTeachersカンファレンス 2017で紹介された主要アプリケーション一覧表」からダウンロードしてください。
iTeachersカンファレンス 2017登壇者(50音順)
大阪大学全学教育推進機構 教授 岩居弘樹氏
新潟市立新潟小学校 教諭 片山敏郎氏
広尾学園中学校・高等学校 教諭 金子 暁氏
デジタルハリウッド 講師/クリエイティブセンター福岡 栗谷幸助氏
玉川大学工学部 准教授 小酒井 正和氏
国際医療福祉大学大学院 准教授/HoloEyes 杉本真樹氏
同志社中学校・高等学校 教諭 反田 任氏
千葉県立袖ヶ浦高等学校 教諭 永野 直氏
佐賀市立大和中学校 教諭 中村純一氏
モデレーター
教育ICTコンサルタント 小池幸司氏
アプリケーションでスムーズな語学学習や動画共有を実現
大阪大学教授の岩居弘樹氏は、多様なアプリケーションを用途別に使い分けている。外国語学習の基礎である単語学習に役立てているのが、単語カード作成ツールの「Quizlet」(クイズレット)だ。単語帳のスプレッドシートを読み込むだけで単語カードを作成できる。教員向けの管理ツールを利用して、クラスに所属する学生の進捗(しんちょく)状況を確認することができる。
動画教材をはじめとするデジタル教材の共有手段として岩居氏が薦めるのが、オンラインホワイトボードツールの「Padlet」だ。「ウォール」というオンラインホワイトボードに複数のメッセージや画像、Webサイトへのリンクなどを貼り付けられる。「Microsoft PowerPoint」をはじめとするMicrosoft Officeファイルを保存しておくと、そのままWebブラウザから開くことが可能だ。
ディスカッションに役立つ手段として岩居氏は、Web会議サービスの「Zoom」を推奨する。無料版でも最大100人まで同時接続でき、参加者のデバイスの画面を共有したり、オンラインホワイトボード機能を利用したりできる。会議映像の録画も可能だ。
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「iTeachersカンファレンス」レポート
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iTeachersメンバーと大学生が議論
プログラミングやデザインに役立つアプリケーションも充実
2020年に小学校で必須化されるプログラミング教育に注目し、具体的な取り組みを進める教育機関は少なくない。いざプログラミング教育を実践する際には、ツール選定が課題となる。玉川大学准教授の小酒井 正和氏は担当するゼミで、教員や学生を対象に、プログラミング教育に有効なツールを調査した。その結果、最も人気を集めたのは学習者向けのビジュアルプログラミング環境「Scratch」だったという。
ScratchはWebアプリケーション版と、インストールして利用するクライアントPC版があり、既に国内外の教育機関がプログラミング学習用に活用している。幼児向けの「ScratchJr」には、iOS/Android版のネイティブアプリケーションがある。その他に学生の支持を集めたのが、アプリケーションではないが、ボール型ロボット「Sphero」、組み立て式ロボット「レゴマインドストームEV3」、小型無人飛行機「ドローン」など、プログラムで動作を制御できるロボット教材だ。
教員が特に注目したのは、ビデオゲームとしても人気の「Minecraft」である。Minecraftには、プログラムによってゲーム内の構造物を動かすことができる拡張機能があり、教育機関の間でプログラミング教育の手段として活用する動きがある。MinecraftはクライアントPCまたは家庭用ゲーム機向けのアプリケーションとして提供されている。モバイルデバイス版の「Minecraft: Pocket Edition」では、iOS/Android向けのネイティブアプリケーションを用意している。
デザイン系や美術系の授業で役立つアプリケーションも豊富にある。デジタルハリウッド講師の栗谷幸助氏は、コミュニケーションサービス「LINE」の大型絵文字である「LINEスタンプ」を作る講義で、スキャナーツールの「CamScanner HD」を活用し、手描きで描いたイラストをスキャンしている。タブレットに取り込んだイラストは、レイヤー機能(注)を持つ画像加工ツール「PicsArt Photo Studio」で着色。テキスト挿入ツール「Phonto」を使ってイラストに文字を入れ、画像リサイズツール「バッチリサイズ2」でサイズを変換する(原稿執筆時点では、バッチリサイズ2はiOS版のみ提供)。
※注:複数の画像を重ねて、1枚の画像に合成できる機能。
栗谷氏はその他、教員から学生への一方向の講義ではなく、インタラクティブな講義を実現するためのアプリケーションも活用している。代表例が「Clica」(現在は「Study.jp 学びアプリ」の1機能)や「PingPong」といったクリッカーだ。クリッカーは、教員の質問に対して学生がリアルタイムに回答できるシステムのこと。従来は専用デバイスを利用したシステムが一般的だったが、最近ではスマートフォンやタブレット用のアプリケーションとしてクリッカーを提供する動きが広がっている。
iTeachersカンファレンス 2017で紹介された主要アプリケーション一覧表のダウンロード
iTeachersカンファレンス 2017でiTeachersメンバーが紹介した、主要アプリケーションをまとめた一覧表をPDFファイルで提供しています。「iTeachersカンファレンス 2017で紹介された主要アプリケーション一覧表」からダウンロードしてください。
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