スタッフォードシャー大学で「RPA」導入を担当するIT幹部は、RPAは効率化だけでなく「DX」にも役立つと評価する。その理由と、実際に起きた変化は。
前編「警察出身の大学IT幹部が語る、大学と警察が『RPA』を導入するそれぞれの理由」は、英国のUniversity of Staffordshire(スタッフォードシャー大学)の最高デジタル責任者(CDO)であるアンドリュー・プロクター氏が携わった、2つの組織の「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)導入理由を紹介した。後編は、同校がRPAを導入した結果、どのような変化が起きたかを紹介する。
University of Staffordshireは当初、職員を事務処理から解放する手段として校務自動化を位置付けていた。大学の改善、学生への対処、学生の利益になるサービスの創造に、より多くの時間を費やしてもらうためだ。
プロクター氏によると、University of Staffordshireは同校の職員を対象に職員エンゲージメント調査を実施した。その結果「職員が校務に圧倒されている」ことが分かった。「職員は日常の定型的な仕事に追われるよりも、自分のスキルを生かして、より創造的な仕事をしたいと考えていた」(同氏)
University of StaffordshireのIT部門は、財務部門の校務自動化に着手した。財務部門の仕事は裏方の事務だと見なされているが、その仕事は企業にとって大きな影響力を持つとプロクター氏は考える。授業料の免除や滞納の処理は、大学にとって重要な校務だ。同氏によると、財務部門の担当者が1日に2時間ほどをこれらの校務に費やしていた。校務自動化に取り組んだ結果、財務部門は自由になった時間で学生の問い合わせに対処できるようになった。
学生の期待に応え、彼らの将来の成功につながる体験を創造するために、「大学も、今社会で起きているデジタルトランスフォーメーション(DX)に高度に適応する必要がある」とプロクター氏は語る。「可能な限り効率性を高める必要がある」とも同氏は指摘する。市場競争力を維持するためだ。「校務自動化は、これらの目標を達成するのに役立つ」と同氏は述べる。
後編は、プロクター氏にUniversity of StaffordshireのIT戦略を聞く。
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