2021年10月22日 05時00分 公開
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「学校」がサイバー犯罪者に狙われる“納得の理由”事件は新学期直前に

教育機関を狙うサイバー攻撃が活発化している。オーストラリアのニューサウスウェールズの教育省も攻撃を受け、新学期の開始が危ぶまれた。教育機関が狙われる理由とは。

[Aaron Tan,TechTarget]

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 オーストラリアのニューサウスウェールズ(NSW)州の教育省はサイバー攻撃を受け、2021年7月上旬に一部の教育用システムを利用できなくなった。オンライン教育が始まる新学期を数日前に控えたときだった。

 NSW州教育省は同州の学習者と教職員に関するデータの安全とセキュリティの確保を最優先事項に掲げている。さらなる調査を進めるに当たって「予防措置として一部のシステムをオフラインにすることに決めた」と、NSW州教育省の長官を務めるジョージナ・ハリソン氏は話す。

狙われる教育機関、その理由は

 新学期開始直前にサイバー攻撃が起きると、新学期に向けて準備を進める教職員は「大変厳しい状況に直面する」とハリソン氏は説明する。NSW州教育省はできる限り早い段階でシステムを再開すべく取り組んだ。

 NSW州教育省と同州のサイバーセキュリティチームは、新学期の始業日までに教育機関のシステムへのアクセスが通常通り可能になるよう尽力した。新学期が始まるまでに問題を解決することで、「オンライン教育に影響がない」と教員や保護者に安心してもらうためだ。

 今回のシステム停止は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が急速に広がるタイミングに重なった。ロックダウン(都市封鎖)の延長は濃厚で、NSW州はロックダウン期間中に学校教育をオンライン教育に切り替えようと考えていた。同州は教員や学習者が新学期に向けた準備を継続できるよう、オンライン教育に関する情報をWebサイトで提供した。

 「国際情報機関は、教育機関が国家主体のサイバー攻撃者による標的になることを以前から警告してきた」。そう語るのは、国際会計事務所/コンサルティング会社Ernst & Young(EY)のオセアニア地区で、政府と健康科学に関するマネージングパートナーを務めるキャサリン・フライデー氏だ。

 2019年にオーストラリア国立大学(Australian National University)とオーストラリアカトリック大学(Australian Catholic University)がサイバー攻撃に見舞われた際、フライデー氏は次のように語っている。「個人情報、知的財産といった機密情報は、悪意のある多数の攻撃者が攻撃を企てる少なからぬ動機になる」

 オーストラリアのプライバシー監視機関Office of the Australian Information Commissioner(OAIC)が提供する報告書「Notifiable Data Breaches Report: July-December 2020」によると、教育機関は2020年下半期に攻撃を受けた数で3位だった。1位は医療サービス提供者、2位は金融機関となっている。

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