約1000年の歴史を持つオックスフォード大学は、全学での利用を見据えてIT部門でMicrosoft Copilotを導入した。職員の懸念を解消するために、同大学のIT部門はどのような施策を講じたのか。
オックスフォード大学(The University of Oxford)のIT部門は、AI(人工知能)アシスタント「Microsoft Copilot」を導入している。同大学の責任者は「アイデアの創出や文書の生成などに役立つ」と実感する一方、導入当初は使用方法に不安を感じる職員もいたという。そうした不安を解消するために、どのような施策を講じたのか。
オックスフォード大学は、各学部でAI技術を活用する場合の効果を試算するため、IT部門の職員向けに「Microsoft 365 Copilot」を試験的に導入した。Microsoft 365 Copilotは、サブスクリプション形式のオフィススイート「Microsoft 365」でCopilotの機能を使えるサービスだ。
IT部門は2024年12月、ライセンス所有者にアンケートを実施し、以下の用途でどれほどの時間を節約できたかを調査した。
オックスフォード大学の最高情報責任者(CIO)を務めるスチュアート・リー氏は、IT部門へのCopilotの導入について、次のように述べる。「Copilotの導入効果を評価するには時期尚早だが、定期的な使用状況の確認が不可欠だと感じている。徐々にではあるが、IT部門の職員は業務の生産性、創造性を向上させるためにCopilotに慣れてきている」
新しいツールを導入する際は、使用者が慣れるためのトレーニングが有効だ。特に企業向けのツールの場合、どのように業務に適用できるかを理解する必要がある。
AI技術の活用に対する評価はさまざまだ。特定のタスクを迅速化できると評価する人がいる一方、既存の方法で満足していてAI技術を試すことをためらう人もいる。
リー氏によれば、IT部門がCopilotを導入した当初、AI技術の使用に不安を抱く職員がいた。そうした不安を解消するために、IT部門は以下の取り組みを実施した。
オックスフォード大学のユーザーエクスペリエンス(UX)責任者であるサラ・ザマ氏は次のように述べる。「さまざまな優先事項を抱える小規模なチームにとって、Copilotはアイデアの創出や文書の作成などの業務時間を削減するのに役立つと分かった。発達障害のある人が作業の優先順位を付け、集中して取り組むことにも有用だ」
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