小中学校の授業向けIT製品徹底ガイド【第4回】
タブレットを充電しながら収納できる「充電保管庫」の失敗しない選び方
タブレットや2-in-1などの「学習者用コンピュータ」を活用する上で、併せて検討したいのが「充電保管庫」だ。そのタイプ別のメリットとデメリットを整理し、選定ポイントを示す。
第3回「タブレット、ノートPC、2-in-1――児童生徒用コンピュータは何を選ぶべきか?」では、児童生徒のIT活用を進めるために必須のIT製品といえる「学習者用ハードウェア」のうち、学習者用コンピュータについてタイプ別に解説した。第4回は複数台の学習者用コンピュータをまとめて充電・保管できる「充電保管庫」のタイプ別メリット、デメリットを整理した上で、その選定ポイントを紹介する。
文部科学省の「平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針について」では、学習者用コンピュータについて「3クラスに1クラス分程度の配備」をすべきだと求めている。充電保管庫は、この規模の学習者用コンピュータを充電・保管できるだけの台数を整備することになる。
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小中学校の授業向けIT製品徹底ガイド
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「充電保管庫」のタイプ別メリット、デメリット
充電保管庫は、整備する学習者用コンピュータに応じて選定する必要がある。主に保管台数と可搬性(設置型もしくは移動型)によって分類が可能だ(図)。
保管台数の違いによるメリット、デメリット
学習者用コンピュータの整備は、段階的に進むことが一般的だ。導入済みの学習者用コンピュータの総数が変化すれば、充電保管庫に求められる適切な保管台数も変わる。40台程度の学習者用コンピュータをまとめて充電・保管ができる充電保管庫の場合は、電源確保についても気を配る必要がある(表1)。
| 保管台数 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 10台~20台程度 | ・比較的小型 | ・整備が進むと、多くの充電保管庫が必要 |
| 40台程度 | ・1クラス分の学習者用コンピュータをまとめて充電・保管可能 | ・1つの電源から供給を受ける場合、容量オーバーとなることが少なくないため、1台ずつ順番に充電するといった回避機能が必要 |
可搬性の違いによるメリット、デメリット
充電保管庫には1カ所に常設する設置型と、常設しない移動型がある。どちらのタイプでも、電源位置を確認した上で購入する必要がある(表2)。
| 可搬性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 設置型 | ・いつも同じ位置にあるため、運用が容易 ・移動に伴う故障リスクを回避 |
・固定されているため、複数台端末の移動には不向き |
| 移動型 | ・学習者用コンピュータの利用場所の近くまで動かして使うことが可能 | ・大型の場合は移動が大変であり、実質的に1カ所固定になりがち |
「充電保管庫」の選び方
ここまで整理してきた充電保管庫のタイプ別メリットとデメリットを踏まえ、製品選定時のポイントを紹介しよう。
選定ポイント:学習者用コンピュータの導入状況や利用場所に応じた整備をする
充電保管庫は、学習者用コンピュータの整備状況を見据えた選定が必要となる。全体的な整備計画を基に、どの段階においてもきちんと運用できるようにすることが大切だ。学習者用コンピュータがモデルチェンジすることで、充電器の大きさやコネクターを差し込む位置が変更となることも想定できる。将来を見越して大きな充電保管庫を購入するのではなく、必要なスペックを持つ製品を必要なときに購入することが望ましい。
学習者用コンピュータと充電保管庫は、児童生徒のIT活用の基礎となる。前後編を通じてお伝えしてきた選定ポイントを基に、積極的な整備を進めていただきたい。
執筆者紹介
高橋 純(たかはし・じゅん) 東京学芸大学教育学部准教授 博士(工学)
1972年神奈川県生まれ。修士(教育学)、博士(工学)。園田学園女子大学情報教育センター助手、富山大学人間発達科学部准教授を経て、現在、東京学芸大学教育学部准教授。教育工学、教育方法の改善、教育の情報化に関する研究に従事。第17回日本教育工学会研究奨励賞受賞。中央教育審議会専門委員(初等中等教育分科会)、学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議委員、日本教育工学協会副会長など。
粟田 輝(あわた・あきら) チエル社長室長
1982年広島県生まれ。2008年、慶應義塾大学大学院理工学研究科・開放環境科学専攻修了。2008年、日本総合研究所入社。2018年から現職。これまで教育関連企業向けのコンサルティングを多数実施し、企業の目線から教育現場へのIT導入などを推進。最近は各種執筆や勉強会での講演など、精力的に活動している。
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小中学校の授業向けIT製品徹底ガイド
教育機関に役立つIT製品には、どのようなものがあるのか。本連載では急速にIT化が進む小中学校の授業でのIT活用に焦点を絞り、幾つかのカテゴリーに分けて、授業に役立つ主要なIT製品分野を紹介し、各IT製品分野の選定ポイントをまとめる。
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